横浜だけじゃない 都市交通ロープウェー「スカイシャトル」 全国唯一、空から都県越え!
横浜みなとみらいに都市交通としてのロープウェーが開業しましたが、隣の川崎市にも、鉄道事業法に基づくロープウェーが運行されています。しかも都道府県をまたぐ点では日本唯一。わずか5分あまりの乗車は、どのようなものでしょうか。
鉄道事業法に基づき運営
2021年4月、横浜市のみなとみらい地区にロープウェー「ヨコハマ・エア・キャビン」が開業しましたが、お隣の川崎市にも、都市交通としてのロープウェー「スカイシャトル」が運行されているのをご存知でしょうか。
スカイシャトルは、京王よみうりランド駅(東京都稲城市)から遊園地「よみうりランド」へのアクセス手段として1999(平成11)年に開業しました。駅前の京王口ステイションと神奈川県川崎市の山頂ステイションを結び、全長は883m、全線の高低差は65mあります。日本で唯一、都道府県境をまたぎ、また遊具を除くと都内唯一の存在です。今回はこのスカイシャトルに山頂ステイションから乗ってみました。
山頂ステイションは、よみうりランドの正面入園口、スカイゲートを右に回り込んだ場所に位置しています。料金は大人も子どもも片道が300円で、往復は500円。きっぷを買い求めようと券売機に近づいたとき、目に止まったのは関東運輸局長からの表彰状でした。
その日付は「10月26日」。鉄道好きの方ならピンと来るかもしれません。ロープウェーは鉄道事業法に基づいて運営され、分類上は「索道」です。この表彰状は「『鉄道の日』記念関東運輸局長表彰式」で授与されたものだったのです。余談ですが、鉄道完全乗車を目指す人は索道、とりわけ開閉式の扉を持つ「普通索道」までその対象とする場合もあります。
スカイシャトルはロープに多数のゴンドラを吊り下げて循環する「単線自動循環式」の方式で、順次ゴンドラがやって来るため、もとよりサクサク乗れるのですが、午前中という時間帯も影響して利用者はほかにいませんでした。「お好きなのどうぞー!」と言われたものの、どれを選ぼうが見える景色に変わりはないうえに、カラフルな色の中から選り好みしているのもなんとなく恥ずかしいので、ちょうど目の前で扉を開けていたピンク色のゴンドラに乗り込みました。
よみうりランド内にはかつて環状のモノレール路線(単線)もあり、当時の地方鉄道の免許も受けていた時期もあったのですけどもね。