オービスで「子ども守る」? 緊急対策としての新型オービス拡充 背景に警察の変化

可搬式オービス、初の導入は小学校目前の横断歩道

 可搬式オービスが日本で初めて導入されたのは2014(平成26)年です。警察庁は前年11月~12月にかけて、埼玉県警へ新型オービスの試験運用を依頼していました。

 当時、導入が検討されたのは、カメラを三脚に取り付けて、市販のスチールカメラのように簡単に持ち運びできる「可搬式」、軽四輪などに載せて移動可能な「半可搬式」、そして「固定式」の3種類でした。可搬式と固定式はオランダ製、半可搬式はスウェーデン製でした。これらを総称して、「移動式オービス」と呼ぶこともあります。

 一般の運転者が思い浮かべるのは、自動車道や高速道路上でフェンスに囲まれた地上や道路をまたぐ設置型のオービスですが、試験運用されたオービスは、固定式も含めてはるかに小型でした。可搬式であれば2、3人のチームで持ち運びから測定まですべて完結。固定式でも歩行者が気付かないほど見た目が小さく、ほとんど歩行者信号のような形状でした。

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埼玉県内で導入されていた固定式オービスの例(中島みなみ撮影)。

 今回の緊急対策で可搬式オービスによる取締まり強化が打ち出された理由は、すでに2013年の試験運用で見て取ることができます。

 固定式のオービスは、埼玉県内の小学校の通学路に設置されました。場所は学校と住宅地を隔てる道路、横断歩道を渡ればすぐ学校という歩行者用信号機の横です。現地は横断歩道があるだけで交差点はなく、横断歩道は主に児童の登下校に使われていましたが、見通しのいい直線路のため、速度超過で横断歩道を通り過ぎていく事例も知られていました。

 ここに設置された固定式オービスは、速度超過の車両が近づくと、LEDが点滅して光と音で警告し、減速しない場合に車両を撮影して検挙する、というものでした。ただ、固定式だと運転者が設置した場所に慣れて、オービスを過ぎると再び速度を上げる、という課題がありました。これでは、制限時速内での運転にはつながりません。そのため可搬式で、取締りの場所を変えて緊張感を持たせることが検討されました。

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コメント

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4件のコメント

  1. 確かに30~40km/h制限の生活道路ならば、抜け道だ空いているからとかっ飛ばす連中をガンガン検挙すべきだとは思う。定置オービスが光る赤切符レベルなら実際危険極まりないので。

    一方で幹線道路での意味のない姑息な取り締まりは交通安全にもたいして寄与しないのでやめるべきでしょうね。

  2. 街全体を固定式オービス設置すれば解決だね()

    • 記事にもありますが、固定式オービスは『そこにあることに慣れてしまえば意味が無くなる』欠点があります。

  3. 住宅街でぶっ飛ばしてる車よく見るので生活道路での取締は徹底してほしいが高速道路に移動オービス置く理由が全くわからん
    移動オービスって元々記事みたいに生活道路の取締のためじゃなかったの?高速道路やバイパスに置く必要なくない?