海自に自爆ドローンが不要なワケ また必要以上に備える必要もない納得の理由とは?

自爆ドローン たしかにミサイルよりは安価だけど…?

 また、ドローンはミサイルに比べて安価という意見もありますが、これもよく吟味する必要があります。

「ドローン」と聞いて多くの方がまず頭に思い浮かべるのは、おそらく市販されている手持ちサイズのホビードローンでしょう。これらは数万円から高くとも数十万円で手に入れることができる代わりに、航続距離が非常に短く、また攻撃のために十分な量の爆薬を搭載することもできません。

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「マーサ・ストリート」への攻撃は2回行われた。1回目の失敗した攻撃の際に回収された自爆ドローンの残骸(画像:アメリカ中央軍)。

 一方で今回、用いられた自爆ドローンであれば上記の問題はクリアできますし、一般的な対艦ミサイルと比較してもかなり安価に製造できるでしょう。しかし、性能面では対艦ミサイルに大きく劣ります。

 まず、この種のドローンは搭載可能な爆薬の量が非常に少なく、敵艦に致命的な損傷を与えることはできません。さらに、先述の通りドローンは飛行速度が非常に遅いことも、対艦攻撃においては大きな問題となります。

 対艦ミサイルによる攻撃の場合、まずは地上、海上、空中の各種センサーによって敵艦艇を捕捉し、その情報に基づいてミサイルが発射されます。一般的な対艦ミサイルは900km/h前後で飛翔しますので、たとえば200km先の目標には10分少々で到達します。ところが、今回の事件で用いられたドローンはプロペラ推進であり、恐らく飛行速度は300km/hから400km/hというところでしょう。そうなると、同じ200km先の目標であっても、到達には30分から40分ほどかかってしまいます。

【写真】屋根に穿孔 残骸で埋まる船内…「マーサ・ストリート」被害の様子

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コメント

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8件のコメント

  1. 固定翼の自爆ドローンに(日本以外の?国の)イージス艦の装甲の薄いところが狙われるかも?
     電波妨害に使えませんかね?日本に必要かはわかりませんが…

  2. 外洋を航行中の護衛艦などには無力ですが、無防備な貨物船やタンカーなどには有効かと思います。
    もちろん撃沈は無理ですが、嫌がらせ攻撃でも民間の航路はストップしてしまいますし毎度、護衛艦をつけていては海自の負担は相当かと。
    また、強力なイージス艦であっても入港時や停泊中などは航行用のレーダーしか作動していませんので、国内のテロリストが使用するには便利でしょうね。
    海自には必要ないですが、どうやって防ぐかの研究は必要でしょう。

  3. 攻撃を受ける側も各種センサーによって攻撃と防御をしており繊細な電子機器です。箱が固くても電子機器が故障すれば攻撃も防御もできません。
    ドローンの怖い所は安価である事から大量かつ容易に配備できるところです。スワーム技術によって飽和攻撃、奇襲を仕掛けてくるドローンに対しての防御技術は確立されていないのに不要とは意味がわかりません。

    • 自爆ドローンは遅すぎて迎撃ミサイルどころか艦載砲で安全に対処できる程度の脅威なんだな
      そもそも航行中の軍艦に近づけるレベルの射程と爆薬の搭載量をしてるドローンの値段なんて億単位
      そんなものを大量に揃えてスウォーム運用する財力があるならより少数の高速で対処の難しいミサイルのほうが遥かに命中が見込める
      あと奇襲ってよくわからないけど見晴らしのいい洋上でそういった80年前や100年前の飛行機以下の低速機が不意打ちすることは不可能

    • ちなみにShahed-136ドローンは約$20,000、Harpoon対艦ミサイルは$1,406,812だそうです。
      対艦ミサイル一発で70機飛ばせることになります。コスパの良さがわかりますよね。ソフトの開発次第でいくらでも墜としづらい軌道をとるようにできるでしょう。脅威になることがわかりませんか。。。

  4. 世界中で安価に手に入る可視光カメラに画像認識で照準されたら既存のESM、ECM、フレアでは対処できないのが割りと面倒と思われます(>д

  5. これ書いた人、馬〇じゃないの?

  6. 攻撃型ドローンTB2は、非常に優秀です。
    画面を見ながら遠隔で地上や空母甲板上の航空機を一度に沢山爆弾を落とし、基地を壊滅させています。レベルの低いドローンしか知らない人は、TB2がどれだけ多くの爆弾を積んで、攻撃できるか、又AC130 の素晴らしい攻撃力を知るべきです。