海自に自爆ドローンが不要なワケ また必要以上に備える必要もない納得の理由とは?

ドローンは自衛隊にとって本当に脅威なの?

 ひと口にドローンや無人機といっても、航続距離や運搬できるものの重さといった機体性能や誘導方式、さらに価格帯はさまざまです。今回の事件では、回収された機体の残骸から、2019年にサウジアラビアの石油施設攻撃に用いられたイラン製の自爆ドローンに酷似したものが使用されたと推定されています。

 このドローンは、一般的な長射程巡航ミサイルと比較して低価格であることが特徴ですが、その代わり飛行速度は非常に遅く、目標到達までに時間がかかります。また、目標を捕捉するカメラなどのセンサーが搭載されていないことから、事前にインプットされた固定目標しか攻撃できません。

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アメリカ海軍の巡洋艦「アンティータム」から発射されるハープーンミサイル。射程は約130km、約860km/hで飛翔する(画像:アメリカ海軍)。

 しかし、今回の事件では洋上を航行するタンカーに命中していることから、使用されたドローンは、なんらかのセンサーを搭載した発展型の可能性が高いと考えられます。

 それでは、この種のドローンは自衛隊にとって本当に脅威となるのでしょうか。まず考えなければならないのは、今回の事件の内容をそのまま日本が直面する安全保障環境に当てはめることができるかどうかです。

 現在、海上自衛隊の艦艇にとって最大の脅威となっているのは、東シナ海において対峙している中国軍の戦力です。しかし、中国軍は各種の長射程対艦ミサイルを多数保有してはいますが、今回の事件で用いられたような対艦攻撃用自爆ドローンは現在、保有していません。したがって、そもそも自衛隊はこうした脅威に直面すらしていないのです。

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コメント

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8件のコメント

  1. 固定翼の自爆ドローンに(日本以外の?国の)イージス艦の装甲の薄いところが狙われるかも?
     電波妨害に使えませんかね?日本に必要かはわかりませんが…

  2. 外洋を航行中の護衛艦などには無力ですが、無防備な貨物船やタンカーなどには有効かと思います。
    もちろん撃沈は無理ですが、嫌がらせ攻撃でも民間の航路はストップしてしまいますし毎度、護衛艦をつけていては海自の負担は相当かと。
    また、強力なイージス艦であっても入港時や停泊中などは航行用のレーダーしか作動していませんので、国内のテロリストが使用するには便利でしょうね。
    海自には必要ないですが、どうやって防ぐかの研究は必要でしょう。

  3. 攻撃を受ける側も各種センサーによって攻撃と防御をしており繊細な電子機器です。箱が固くても電子機器が故障すれば攻撃も防御もできません。
    ドローンの怖い所は安価である事から大量かつ容易に配備できるところです。スワーム技術によって飽和攻撃、奇襲を仕掛けてくるドローンに対しての防御技術は確立されていないのに不要とは意味がわかりません。

    • 自爆ドローンは遅すぎて迎撃ミサイルどころか艦載砲で安全に対処できる程度の脅威なんだな
      そもそも航行中の軍艦に近づけるレベルの射程と爆薬の搭載量をしてるドローンの値段なんて億単位
      そんなものを大量に揃えてスウォーム運用する財力があるならより少数の高速で対処の難しいミサイルのほうが遥かに命中が見込める
      あと奇襲ってよくわからないけど見晴らしのいい洋上でそういった80年前や100年前の飛行機以下の低速機が不意打ちすることは不可能

    • ちなみにShahed-136ドローンは約$20,000、Harpoon対艦ミサイルは$1,406,812だそうです。
      対艦ミサイル一発で70機飛ばせることになります。コスパの良さがわかりますよね。ソフトの開発次第でいくらでも墜としづらい軌道をとるようにできるでしょう。脅威になることがわかりませんか。。。

  4. 世界中で安価に手に入る可視光カメラに画像認識で照準されたら既存のESM、ECM、フレアでは対処できないのが割りと面倒と思われます(>д

  5. これ書いた人、馬〇じゃないの?

  6. 攻撃型ドローンTB2は、非常に優秀です。
    画面を見ながら遠隔で地上や空母甲板上の航空機を一度に沢山爆弾を落とし、基地を壊滅させています。レベルの低いドローンしか知らない人は、TB2がどれだけ多くの爆弾を積んで、攻撃できるか、又AC130 の素晴らしい攻撃力を知るべきです。