さよなら「新幹線の高い車窓」 引退迫る2階建てE4系 座るならどこ?

E4系おすすめの座席はズバリここ

 E4系の座席は、もちろん2階がおすすめです。1階は、通常の車両よりも視点が低くなり、ほぼ全区間にわたって防音壁がある上越新幹線では空以外何も見えません。台車に近い高さで走行音も聞こえますが、揺れは少ないので読書をしたり、スマホを見たり、ゆっくり休みたい人向けです。もちろん、今しか体験できない視点の低さを楽しむのもアリですね。

Large 210901 jre4 04

拡大画像

下り列車は31列を除く奇数列の席がおすすめだが、指定券もそこから売れていくので注意しよう(栗原 景撮影)。

 2階席にも、おすすめの席があります。それは、客席窓に対して後列になる席。

 E4系の客席窓は、今では珍しくなった客席2列に対して一つの大型窓。しかし、2列ごとの窓に対して前列側の席は、目の前に窓の端が来てしまい、見晴らしが良くありません。後列の方が圧倒的に眺望を楽しめます。また、新潟方先頭車を除き、どの車両も新潟寄り車端部に1列だけの窓があります。これも避けた方が良いでしょう。

 では、具体的に何番の座席が良いのでしょうか。下り新潟方面行き指定席の場合、新潟寄り車端部の31列を除く奇数番号、例えば21、25、29列などを、上り東京方面行きの指定席は偶数番号、例えば22、26、28列などがおすすめです。ただし、8・16号車のグリーン車だけは逆で、下りは偶数席、上りは21列を除く奇数席がおすすめとなります。これは、新潟方の先頭車だけは、1列窓が東京寄りにあるからです。

 自由席を利用する場合も、考え方は同じです。下りは31列(1・9号車は27列)を除く奇数列、上りは偶数列が良いでしょう。

進行方向左側が基本だけれど

 次に、左右どちらの席に座るかです。E4系2階席の窓側席は、新潟に向かって右側(東側)が3列席のA席、左側(西側)が2列席(自由席は3列席)のE席(グリーン車はD席、自由席はF席)となります。なお1階席は、3列席と2列席が左右逆になり、アルファベットも新潟に向かって左がA席です。

 それでは、進行方向の左右はどちらの席に座れば良いのでしょうか。基本は、進行方向左側です。進行方向右側は反対方向のレールがあり、防音壁までの間隔も大きいため、いかに2階建てのE4系といえど、高架近くの景色は見えず、見晴らしている感が薄れてしまうからです。しかし、上越新幹線の場合は、見どころがどちらかというと下り列車の進行方向右側(A席側、東側)に多いので、注意が必要です。

 時間帯も大切です。ほぼ南北を結ぶルートになっている上越新幹線の場合、午前中はA席側から日差しが入り、午後はD・E・F席側から西日が入ります。ですから、「午前は下り列車で奇数列D・E・F席に乗車し西側の景色を眺め、午後は上り列車で偶数列A席に座って東側の車窓を楽しむ」というのが、最適解となります。

 上越新幹線では、平屋のE2系やE7系では防音壁に遮られて、E4系ほどの眺望は望めません。上越新幹線を使う機会があれば2階建て新幹線からの車窓を目に焼き付けておきたいものですね。

【了】

【写真】E4系「2階席」と「1階席」の違い(7枚)

Writer: 栗原 景(フォトライター)

1971年、東京生まれ。旅と鉄道、韓国を主なテーマとするフォトライター。小学生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、ウェブに記事と写真を寄稿している。主な著書に『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『テツ語辞典』(誠文堂新光社/共著)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 随分昔に一度乗りました、一階の閉塞感が凄くて二度と御免です、二階は全部グリーン席だと思ってました、乗れば良かった