圧巻「240km/hで走る壁」 実際どれほど「Max」なのか? 違う名前だった可能性
「Max」じゃなかった可能性
ちなみに、「はやぶさ」などに使われるE5系は、背の高さが約3.7m。E4系「Max」のほうが0.8m、背が高い具合です。
0.8m程度の違いでなぜ2階建て構造にできるのか、と思う人もいるかもしれませんが、E4系「Max」は、通常の車両だと機器類がある床下を、線路ギリギリまで客室にすることで、2階建てにしました。E4系の機器類は、車端部などに分散されています。
高まる新幹線通勤の需要に応えるべく、誕生した全車2階建て新幹線「Max」。時代が変わり、人口減少、テレワークの浸透がいわれるなか、そうした個性的で「Max」な新幹線の姿は、E4系の引退で見納めになるのでしょう。
ちなみに「Max」の愛称は、正式には「Multi Amenity Express」に由来します。
またE4系は、「Max」としては2代目。初代「Max」は、2012年に引退したE1系です。
このE1系は当初、「Max」ではなく「DDS」という愛称でした。「Double Decker Shinkansen」の略です。営業運転開始前に「Max」へ変更されましたが、イメージや言いやすさ、分かりやすさから「Max」に変更して大正解だったと思います。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
愛称ですが、在来線に目を移すと、215系がDDL(Double Decker Liner)ですね