太平洋戦争で日本軍を攻撃した「ドローン」があった 実績80年 ルーツは超ハイテク兵器
初めて実戦に使われたドローン
アメリカ海軍がTDN-1とは別にドローンの開発を依頼していたのは、民間航空機会社のインターステート・エアクラフト・アンド・エンジニアリング・コーポレーションでした。
同社で開発されたのはTDR-1。初飛行はアメリカ海軍のTDN-1と同じく1942(昭和17)年でしたが、レーダーによる高度計とテレビカメラを搭載し、TBFアベンジャー攻撃機のパイロットがテレビ画面を見ながら遠隔操作する仕組みでした。
速力こそTDN-1と大差なかったのですが、洗練されたデザインと飛行性能からアメリカ海軍は採用を決め、189機が量産されました。しかし、当時としては最先端の技術が多用されていたことから、より完成度を高めるためにいくつかの改良型の開発が続きました。
TDR-1は1944(昭和19)年にようやく日本との戦いに投入されました。この機体は南太平洋のラッセル諸島の特別航空任務部隊に50機が配備され、ソロモン諸島にある日本軍の対空陣地や橋、飛行場の攻撃任務につきました。同年7月には、1942(昭和17)年に起きたガダルカナル島の戦いで同島に座礁し遺棄された日本の輸送船「山月丸」の残骸に対する爆弾投下を成功させています。
ただ、一定の戦果を挙げたもののアメリカ軍は、これまでの兵器で日本に勝てるとして、TDR-1の開発を打ち切りました。
V-1基地攻撃にも使用されたけど失敗した。そのときに犠牲になったパイロットはアメリカ大統領ジョンFケネディの兄貴だ。