太平洋戦争で日本軍を攻撃した「ドローン」があった 実績80年 ルーツは超ハイテク兵器
時代を超えて再評価
1945(昭和20)年に太平洋戦争が終結すると、時代はジェット機へと移行し、さらにミサイルの性能が飛躍的に発達するにつれ、無人攻撃機は目を向けられなくなりました。そのようななか、ドローンは標的機や写真偵察機として命脈を保ちます。流れが大きく変わったきっかけは、コンピューターの発達と、1980年代にアメリカのCIA(中央情報局)が小型で軽量な無人偵察機の導入を決めたことでした。
こうして1995(平成7)年に運用が開始されたのがRQ-1(MQ-1)「プレデター」です。当初は偵察機でしたが、その有効性が認められ、やがてミサイルを搭載した無人攻撃機となり、その後継機はいまも使われています。
かつて最先端兵器として開発されながらも、攻撃機としては有人機を超える性能を獲得できず、なおかつ必要性も見いだされなかったことから、一旦は裏方に回されたドローン。しかし戦争の性質の変化と、テクノロジーの発達によって、21世紀に入ってから劇的な復活と進化を遂げたといえるでしょう。
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Writer: 時実雅信(軍事ライター、編集者、翻訳家)
軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。
V-1基地攻撃にも使用されたけど失敗した。そのときに犠牲になったパイロットはアメリカ大統領ジョンFケネディの兄貴だ。