グリーン車導入の工事が進む 中央快速線東京~高尾間を見てみた
中央快速線では、2023年末にグリーン車の導入が予定されています。これにより中央快速線のE233系は10両編成からグリーン車を2両連結した12両編成になることが決まっています。このため、中央快速線の各駅では12両編成に対応するべく、ホームの延伸工事が行われているのですが、どのくらい進捗しているのでしょうか。
この記事の目次
・中央線のグリーン車の運行区間
・ホームの長さはどうなるのか?
・東京→四ツ谷
・新宿→阿佐ヶ谷
・荻窪→三鷹
・武蔵境→国分寺
・西国分寺→立川
・日野→高尾
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中央快速線のグリーン車の運行区間
JR東日本からの発表によると、中央快速線のグリーン車の運行区間は東京~青梅・大月間とされています。つまり、中央快速線東京~大月間の32駅と、青梅線西立川~青梅間の12駅の合計44駅を12両編成に対応させる必要があるのです。
中央快速線では快速列車に加えて特急「あずさ」「かいじ」が運転され、こちらは最大12両編成で走っています。特急「あずさ」「かいじ」が停車する一部の駅では、少なくともホームの長さは12両編成に対応している箇所もあります。
ホームの長さはどうなるのか?
現行の中央快速線では、10両編成の列車が運転されています。1両の長さは20mですので10両編成では200mとなります。ただ、駅のホームを200mピッタリに作ってしまうと、列車が行き過ぎたり、逆に手前で止まったりしてしまった場合に全く余裕がなくなってしまいます。このため、前後に5mずつ余裕を持たせ、ホームの長さは最低でも210mとしています。
新規に連結されるグリーン車は、1両の長さが20.5mで設計されています。2両連結されるので、単純に考えるとホームを41m延長しなければならないのです。
一方で、中央快速線でも将来的にはホームドアの導入が計画されていますが、その前提としてホームドアに停止位置を合わせるため、列車の停止位置の精度を高める必要があります。これを逆手に取れば、列車の停止位置の精度を高めた分、ホームの長さに余裕を持たせる必要が薄れてくるのです。
これにより、12両編成化後のホームの長さの余裕は前後1mと決められました。グリーン車を連結した12両編成の列車の長さは241mですので、ホームの長さは前後1mずつ足して最低243mあれば良いということになります。10両編成のときと比べ、ホームを33m伸ばせば良いと計算できます。
しかし、実際には駅によって事情が異なっています。ということで、ホームの延伸工事が行なわれている駅に行き、工事の様子を確かめてみました。先の通り、44駅が対象ですが、ここでは東京~高尾間の24駅に限って各駅を観察します。訪問時期は2021年の9月と10月上旬です。
東京→四ツ谷
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Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。