「稼げる高速バスの王道」復活なるか 原点回帰の改革【高速バス新潮流・中距離路線】

ニーズに応えられているか? 原点回帰の見直し進む

 まず、ダイヤや停留所、車両といった商品の再点検です。キーワードは「原点回帰」。乗客の多くが地方側の人である事実を再認識し、その「お得意様」のニーズに応えることができているか、もう一度見直しを行っています。

 地方側在住者は朝の便で都市へ向かい、夕方以降に地元に戻る傾向にあります。とりわけ、早朝の上り便と深夜の下り便の時刻設定は重要です。例えば新宿・池袋~長野線はコロナ禍でもダイヤ改正を重ね、長野からの始発便は早朝4時発(現在は運休中で4時30分発が始発)。新宿からの最終便(21時45分発)が長野に着くのは深夜1時半です。長野側の人が、東京周辺でなるべく長い時間、活動できるようになっています。

 早朝深夜にニーズがあるのは、クルマ社会の地方部では、自家用車を停留所周辺の駐車場に止めて高速バスに乗り換えるパーク&ライドが定着しているからです。たとえば長野インター前停留所には150台の駐車場が併設され、高速バスの乗客は無料で利用できます。

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北海道北見バス「ドリーミントオホーツク号」。高速バス利用者は北見バスターミナルに近い屋内駐車場を最大7日間、無料で使えるようになった(成定竜一撮影)。

 2021年9月からは、北海道北見バスが、北見バスターミナル近くに冬場の利用もしやすい駐車場を新たに確保し、札幌線の乗客は無料で利用できるようにしました。北海道はパーク&ライドの普及が遅れていたので、道内の他路線への波及も期待されます。

【画像】意外な行先が続々!“中距離高速バス”の新路線

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