宇宙の食事はかなり豊か! 宗教食も対応 スペースからあげくん? 野口宇宙飛行士に聞く

国際宇宙ステーションには、各国から国籍・宗教・年齢・性別バラバラのメンバーが集まります。長期滞在の場合、閉鎖空間で半年ほどにもなるため、大きな楽しみの一つが飲食。最新の宇宙食事情を野口聡一宇宙飛行士に聞きました。

宇宙食に必須の条件とは

 宇宙食は、文字通り宇宙空間で人が飲食するものです。1960年代に宇宙滞在が実現したことで開発が始まりました。

 世界で初めて宇宙において食事をしたのは、旧ソ連のゲルマン・チトフ宇宙飛行士で、1961(昭和35)年8月の「ボストーク2号」でのこと。このとき口にしたのは、チューブに詰められたペースト状の食品でした。続く1962(昭和36)年、アメリカのジョン・グレン宇宙飛行士が「フレンドシップ7」で、アメリカ人として始めて宇宙食を食べています。以降、宇宙食の開発と改良は米ソ(現ロシア)二国で行われてきました。2003(平成15)年まで、宇宙に人を送ることができていたのは両国だけだったことを考えれば、当然の流れといえるでしょう。

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身振り手振りを交えて解説する野口宇宙飛行士(画像:東京とびもの学会)。

 宇宙食に求められる要素は、大きく4つあります。

・容器や包装が難燃で安全であること。

・常温で少なくとも1年半の保存が可能なこと。

・衛生性が高いこと。

・食べる際に危険因が発生しないこと。

 これらを満たした上で食感や味などが追及されます。ひところのジョークで、不味い食事を「宇宙食のようだ」と例えるようなことがありましたが、それは初期の宇宙食のイメージだといえるでしょう。

 現在の宇宙食は、フリーズドライ、レトルト、缶詰などの発達によって格段においしくなっています。また、時折来る補給船によって、新鮮な野菜や果物も食べられるほどになりました。

 宇宙食には一般食(レギュラー食)と特別食(ボーナス食)という区分があります。一般食はいわば常設メニューにあたり、どのミッションでも採用されることが前提です。アメリカとロシアがそれぞれ開発していました。特別食は、ミッションに参加する宇宙飛行士の要望によってその都度選ばれるもので、短期間での消費を前提にしており、審査基準は一般食よりゆるくなっています。

 一般食の位置づけは、2004(平成16)年11月にISSにおける宇宙食を供給するための基準文書「ISS FOOD PLAN」が整備され、ISS計画の国際パートナーに加盟する各国が、個々に宇宙食を供給できるようになったことで大きく変わりました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙日本食はこの基準に則って認証されており、日本人が参加しないミッションでも要望があれば供給が可能とのことです。

【宇宙でも地上と変わらない味!?】フランスの味「牛肉のブルゴーニュ風煮込み」ほか

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