公道禁止の理由がスゴイ 陸自「汎用軽機動車」として採用のカワサキ4輪バギーを実見

個人でも購入可能 そのお値段は?

 こうしたオフロードに特化した車両はATV(All Terrain Vehicle:全地形型車両)と呼ばれ、基本的に公道走行は禁止されています。その理由は、ガタガタの荒れた道でも安定して走ることができるサスペンションがあだとなり、舗装路で急ハンドルを切ると容易に横転してしまう可能性があるからです。そのため、国土交通省は災害救助や自衛隊の任務など用途を限定したうえで、日本の公道走行を許可しているということでした。

 そのため、カワサキモータースは将来的に「ミュール」の国内販売も考慮しているそうですが、顧客として想定しているのはスキー場や北海道の牧場など、広い私有地を持つユーザーに限定されるそうです。

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危機産業展2021で展示されていた「ミュール」。自衛隊車両専用のナンバープレートベースやけん引フックなどが見える(武若雅哉撮影)。

 なお、肝心の価格は1台で300万円弱になるとのことなので、仮に自前のオフロードコースを持っているのであれば、自衛隊への採用実績があるATVの性能を思う存分楽しむことができるのではないでしょうか。

 ちなみに、カワサキモータースによると、「ミュール」を踏むATV分野は北米でコロナ禍を背景に急成長している市場だとのことで、その規模は2019年の7000億円から、2030年には2兆円まで伸びると推定しています。そのため、同社は北米とメキシコの工場へ5年で約300億円を投じ、生産設備を新設するとともに、バッテリーEVやハイブリッドEVモデルも開発していくとしています。

【了】

【ハンドル周りや車体後部も】カワサキ「ミュール」と自衛隊の汎用軽機動車を見比べ

Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

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3件のコメント

  1. 「舗装路で急ハンドルを切ると容易に横転してしまう可能性がある」これで本当に競合他社より優秀だったのだろうか?陸自は何故か戦闘は山や不整地でしか起きないと信じている節があるが、整地を急行しないといけないような場合は全く想定していないんだろうか。

    • 現在のATVはフラットタイヤを使う事で舗装路でも拘束で走行でき、横転するという事は滅多にありません。いつの時代のATVでどこ製のATVの事を話されていますか?中華製?海外で日本製のATVを乗ってみたらそんな感想出ませんよ。

  2. ATV(全地形対応車)自体が日本の公道を走れない様にしているが、もし2011年の東日本大震災の際に、ATVがあれば、かなりのお年寄りが助かっている可能性があるが、今、国土交通省の大臣は無能で有名な公明党出身の大臣、存在自体が意味がない状態。