博物館の展示品がまさかの戦力化! 強奪されてしまった兵器5選
まるでゲームな「サンディエゴ戦車暴走事件」
「ただの一般人に盗まれる」例として有名なのが1995(平成7)年5月17日に発生した、カリフォルニア州サンディエゴのアメリカ合衆国州兵兵器庫からM60「パットン」戦車が盗み出された事件です。ただこの事件の犯人は退役軍人であるので、「ただの一般人」という部分は当てはまりません。
この事件では、自暴自棄になった男性の操縦するM60「パットン」戦車が、停車中の車、消火栓、道路標識や信号を破壊しながら暴走しました。幸い使用可能な砲弾は戦車に搭載されていなかったので、砲撃されることはありませんでした。最終的に戦車は道路の中央分離帯に引っ掛かり止まります。
まるでどこぞのゲームのようなお話ですが、戦車が盗まれた当日はゲートが無防備に開いており、容易に侵入できる状態だったそうです。さらにゲートが閉じられていたとしても有刺鉄線が破損している部分があり、侵入が可能であったことから、セキュリティの不備が問題になりました。
博物館の展示品も戦力化!
2014(平成26)年には、2021年現在でもウクライナのドンバス地方で続いているドンバス戦争で、スターリン3型重戦車とも呼ばれるIS-3が博物館から持ち出され戦力化されたこともあります。
ウクライナ東部ドネツクのコンスタンチノフカに野外展示のモニュメントとして台座に置かれていたIS-3を親ロシア派武装集団が奪い、砲弾が発射できる状態にしました。ほかにもドネツクの親ロシア派は、博物館にあった戦車や榴弾砲を奪い、戦力化を図りました。
実は2021年の1月にも軍用車が盗難された事件がアメリカで発生しました。バイデン大統領就任式前に暴動などへの懸念が広がる1月15日、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外にある州兵の施設から、装甲が強化された軍用車両の「ハンビー」が盗まれる事件が発生しています。FBIは盗難車の発見につながる情報には1万ドルの懸賞金をかけたそうです。
※ ※ ※
さすがに敵の兵士が潜入し、最新兵器を強奪とはいきませんが、盗んだり、亡命したりするなどで兵器が持ち出されるケースはありました。軍隊とはいえセキュリティが完璧とはいかないようですね。
【了】
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
>>「敵対勢力からパイロットごと最新兵器がやってくる」「兵器ごと陣営を変える軍人が現れる」「ただの一般人に盗まれる」といったケースが見られ
まあ、登録商標だし具体名は出せませんよね、ガンダムやその系列名は
昔、ドイツでも軍用車両が盗まれ街中を暴走する事件があったようですね。報道された車両の特徴から考えると、ルックス8輪偵察装甲車?
くそどうでもいいけど「ハンビー」じゃなくて「ハンヴィー」じゃない?