神出鬼没「新型オービス」運用に変化 いよいよ本格化か 恐怖は“その後”に訪れる

「そろそろオービスだ」とはならない その恐ろしさ

 新型オービスについて、警視庁関係者はこう話します。

「これまでの生活道路での取り締まりに加えて、速度を超過しやすい幹線道路でも可搬式オービスを活用していく。取り締まりの時間帯も昼間に限らず、機動性を生かして夜間、明け方にも実施していく」

 新型オービスは2013(平成25)年の埼玉県での試行導入以来、従来のオービスが設置できない場所や、道幅の狭い生活道路で、子供などの歩行者を守るための速度抑制に使われることが想定されてきました。

 他方、従来のオービスには、設置場所の知名度が上がると速度抑制の効果が落ちる、という取り締まり上の課題がありました。新型オービスは設置も短時間で、その場で違反告知をする必要もありません。少人数で場所を変えながら運用することができることが、取り締まる側からみた長所でもありました。

 警視庁の活用の拡大は、新型オービスの機動性を生かし、車両の速度抑制を図ろうとする目的があります。

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取締り場所も省スペース。運用は装置の見守る警察官だけだった(中島みなみ撮影)。

 2021年、都内の交通事故は前年比で、事故死者数は減少していますが、事故発生件数はむしろ増加傾向にあります。

「理由はわからないが歩行者事故は減る傾向にある反面、四輪車の事故は増加傾向にある」(警視庁関係者)

 2020年の12月の東京は、死亡事故が増えました。コロナ自粛から解放された2021年の年末、警視庁はこの傾向を繰り返されることを危惧しています。

【了】

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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1件のコメント

  1. 近年、煽り運転厳罰化などの影響もあり
    全体的には極端なスピード超過で走る無法者は減る傾向にあるものの、
    コロナ渦において夜間走行車の減少に加えストレス発散したいのか
    夜間の暴走車などは再び顕在化した様には思う、
    警察としてそれらを取り締まる名目を掲げる一方で、
    設置型オービス等の位置は明白な為、
    速度抑止効果はあるが、スピード違反者取り締まり件数確保にはあまり寄与しなくなってる訳で、
    年末も押し迫る中で、
    検挙数(実績)を稼ぎたい警察署員の御都合主義での夜間&街道での取り締まり規模拡大したいという
    裏事情もあるんだろう。
    そういった意味ではちょっと複雑な心境ですね。