海上自衛隊「US-2」救難飛行艇が初飛行-2003.12.18 日本オリジナルの4発エンジン機

山口県岩国が拠点 小笠原諸島にとっては必要不可欠な飛行機

 海上自衛隊では、PS-1対潜哨戒飛行艇の時代から一貫して国産飛行艇は山口県にある岩国航空基地をおもな拠点として運用しています。US-2が配備されているのは第31航空群の第71航空隊。なお、小笠原諸島などを含む東日本の周辺海域をカバーするために、神奈川県の厚木航空基地にも1機を分派しています。

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漁船員を救助しに来た海上自衛隊のUS-2救難飛行艇(画像:海上自衛隊)。

 海上自衛隊は2021年11月までに試作機2機を含めて7機を受領しており、8号機(量産6号機)も今年度中に引き渡される予定です。ただ、少数生産ゆえに調達コストの引き下げが難しく、ゆえに生産機数を増やせないというジレンマも。また民間機への転用も難しいうえ、諸外国への輸出もできていない現状が、より一層、事態を複雑にしています。

 なお、2015(平成27)年4月には高知県の足摺岬沖で訓練中だった1機が離水に失敗して海面に衝突し、大破水没しています。

 とはいえ、原型のUS-1救難飛行艇から数えて1000回以上も出動回数を誇っており、飛行場のない小笠原諸島の救急患者を幾度となく本土まで緊急搬送しているほか、遠洋漁業の従事者やアメリカ人パイロット、ニュースキャスターら数多くの人命を救ってきた実績を有しています。

【了】

【コックピットも】試作機と編隊飛行するUS-2飛行艇ほか

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