日本×ペルー海軍共同訓練で「韓国艦を祝福」って? 背景に中南米の中古艦事情

「いってらっしゃい南米へ」。東シナ海で行われた海自護衛艦とペルー海軍艦の共同訓練には、こんな日本からの祝意が込められていました。実はこのペルー艦は元韓国海軍の艦。その裏にあるのが中南米の「中古艦」事情です。

空母だって中古であるぞ!

 中南米諸国で最も戦力が充実しているブラジル海軍は、1956(昭和31)年にイギリス海軍から退役した「ヴェンジャンス」を購入し、同艦に大規模改修を加えた「ミナス・ジェイラス」を就役させて空母保有国となりました。その後ブラジル海軍は「ミナス・ジェイラス」の後継艦として、フランス海軍を退役した「フォッシュ」を購入して2000(平成12)年に「サン・パウロ」として再就役させましたが、この時点で艦齢37年に達していたため、「サン・パウロ」は2017年2月に退役しています。

 ブラジル海軍は「サン・パウロ」を後継する空母の導入を模索しましたが、新造するだけの財政的な余裕がなく、また適当な中古艦もなかったため、2018年にイギリス海軍から退役したヘリコプター揚陸艦「オーシャン」を購入して、空母「アトランティコ」として再就役させています。

「オーシャン」は輸送ヘリコプターによるイギリス海兵隊などの揚陸を主任務としていましたが、ブラジル海軍は「アトランティコ」を対潜・対艦戦のプラットホームと位置づけているため、S-70B哨戒ヘリコプターや、エグゾセ対艦ミサイルの運用能力が付与されたUH-15(H225M)輸送ヘリコプターを搭載しています。また、将来的には固定翼UAS(無人航空機システム)やティルトローター機の運用も視野に入れています。

 これらの艦艇が日本近海に進出してくる機会は多くはありませんが、中南米諸国の海軍はアメリカ海軍が主催する多国間軍事演習「リムパック」にもしばしば招待されており、中南米諸国のバラエティ豊かな中古艦と、海上自衛隊の艦艇が舳先を並べて訓練を行う機会は増えていくかもしれません。

【了】

【空母も中古!?】ブラジルへ渡ったフランス空母 写真で見る

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

1件のコメント

  1. ブラジル海軍で運用していた,もと英空母ヴェンジャンス(コロッサス級)は「ミナス・ジェイラス」という名前ではなく「ミナス・ジェライス(Minas Gerais)」で,これはブラジル南東部にある州の名前(Estado de Minas Gerais)が由来です。日本でも戦艦や最近のヘリコプター搭載護衛艦の艦名として旧国名が使われますが,乗り物ニュースではいずも型DDHの2番感を「がか」と呼んでいるのでしょうか。

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