首都高の老朽化深刻 開通60年で「つくりかえ」さらに拡大へ 語られた最悪のシナリオ

迂回路どーするの??

 首都高が1960年代に急ピッチで整備されていったのは知られますが、その後のメンテナンス性も考慮されていない箇所が少なくないとのこと。足場がない、そもそも外から見られないなど、点検が困難な箇所で、損傷を見つけたときには深刻な事態になっているところもあるといいます。

 大規模更新や大規模修繕は、そうした箇所のメンテナンス性を高める構造にするのも狙いのひとつ。「そこから先は、手がかからなくなるのではないか」(前川教授)、つまり、日常的な点検・維持補修で長期にわたり構造物を保てるようになるのではないか、ということです。

 もちろん、こうした大規模更新や修繕は他の高速道路などでも同様に行われていますが、首都高でそれをするのは、容易ではありません。沿道ギリギリまでビルが立ち並ぶ都市部のため、重機を本線に持ち込めないなどの制約があるだけでなく、たとえば東名に通じる3号渋谷線や、中央道に通じる4号新宿線のような路線を通行止めにするのは、「首都の物流を止めることになるため、難しい」(首都高幹部)という課題もあります。

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議論の結果を説明する前川教授(右)。左は首都高速道路の前田社長(中島洋平撮影)。

 たとえば現在、1号羽田線の「東品川桟橋・鮫洲埋立部」1.9kmでは、並行して迂回路を1本つくり、上下線の運用を切り替えながら、本線をつくりかえる工事を行っています。ここは水路に張り出した立地ですが、そのほかの区間は基本的に迂回路の確保には困難が予想されます。

 首都高速道路の前田信弘社長は、その迂回路について、「管轄によらずネットワーク全体で捉えて進めたい」と、NEXCO管轄の道路も含めて検討することを明かしました。

 迂回路をどうするかという問題も、委員会で話し合われます。新たな大規模更新・大規模修繕の選定や、その工事手法について、委員会は2022年春をめどに取りまとめを行う予定です。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 遷都したらよろし。