「多段空母」の歴史 なぜ「赤城」と「加賀」の甲板をひな壇にする必要があったのか?

空母が誕生してから100年。新しいものには付きものですが、その初期はかなりの試行錯誤がありました。多段式空母もそうした試行錯誤のひとつで、現代においてイメージされる空母とは、だいぶ姿かたちの違うものでした。

試行錯誤のなかついに多段式空母が誕生

 戦間期の1922(大正11)年6月から、「フューリアス」に再度の改装が施されます。最初の改装からこの2回目の改装までのあいだにイギリスは、商船を改造した空母「アーガス」や、世界で最初に空母として設計された「ハーミーズ」によって、航空機の発着艦のためには甲板に構造物はない方がいいとう教訓を得ており、こうして「フューリアス」に「全通甲板」が設けられることになります。

 ただ、1925(大正14)年8月に大改装を終えた同艦は、現在の空母でも確認できるような、煙突や艦橋といった構造物をまとめて舷側に寄せたアイランド型ではなく、飛行甲板に構造物を全く持たないフラッシュデッキ型で、しかも飛行甲板がひな壇式に二段あるという多段式でした。

 わざわざ多段にしたのは、発艦と着艦の作業を同時にできるようにと期待されたからです。当時の全通式の空母では発艦か着艦、どちらかの作業しか行うことができなかったため、1回目の改装で前後に分けられていた飛行甲板を上下に敷いた形になります。上部甲板を着艦用に下部甲板を発艦用に使えば、効率のよい作戦行動を遂行でき、敵を波状攻撃できると考えられました。

日本の航空母艦の礎となった「鳳翔」

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