「多段空母」の歴史 なぜ「赤城」と「加賀」の甲板をひな壇にする必要があったのか?

空母が誕生してから100年。新しいものには付きものですが、その初期はかなりの試行錯誤がありました。多段式空母もそうした試行錯誤のひとつで、現代においてイメージされる空母とは、だいぶ姿かたちの違うものでした。

早々に訪れた多段式空母の終焉

 こうして艦載機運用面での効率を求めて開発された多段式空母ですが、運用が始まると極めて使い勝手の悪いことが露見します。日英の多段空母両方で、下段の飛行甲板が発艦に使うには短すぎて使いにくいという問題でした。

「フューリアス」および「赤城」「加賀」が完成した1920年代後半、航空機の主力は重量が軽く離陸しやすい複葉機でしたが、その時代ですでに甲板が短いという判断でしたので、その後すぐに艦載機が大型化していくと、発艦用甲板としては使いものにならなくなります。

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空母「フューリアス」(右)と「グロリアス」もしくは「カレイジャス」(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 この問題に対し、「フューリアス」の場合は上段の甲板を発着艦兼用とし、下段の甲板には対空砲座を置きました。「赤城」「加賀」の場合は最上段の飛行甲板を発着艦兼用にした後も、艦載機を柔軟に運用することのできる長さではないという点と、航空機の航続距離が延び、それぞれが装備していた20cm連装砲塔の必要性が薄れたことから改装するという判断が下り、「加賀」は1935年(昭和10年)6月25日、「赤城」は1938(昭和13)年8月31日にそれぞれ一段全通甲板になりました。

 イギリス海軍では「フューリアス」のほかに「カレイジャス」「グローリアス」が多段空母としての形を残したままでしたが、結局のところ第2次世界大戦直前までには、そのほかのほとんどの空母が全通甲板になりました。なお、発着艦を同時進行で行うという多段空母が目指した目的は、戦後、船体後部に斜め飛行甲板の「アングルド・デッキ」が設けられることで解決されます。

 現実では多段式空母の姿はわずかな期間しか見ることができませんでしたが、創作物の世界では、その奇抜な外見がよいのか、度々、宇宙を征く軍艦として登場しています。

【了】

日本の航空母艦の礎となった「鳳翔」

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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