JR東海の新形車両315系の投入で引退予定 「311系」とはどんな電車?

JR東海では、名古屋・静岡地区の在来線で使用する新形車両として、2021年から315系を投入しています。315系の登場で、今まで使用されていたベテランの車両たちが順次引退する予定ですが、引退予定の車両のなかに311系と呼ばれる電車が含まれています。この311系とはどんな車両なのでしょうか?

この記事の目次

・片側3扉の転換クロスシート車

・金山総合駅の開業にあわせてデビュー

・新デザインを取り入れた311系

・車内には公衆電話もあった

・昔の311系と今の311系

・東海道線で主役のころ

・「ナイスホリデー」でも活躍

・新快速から普通列車へ

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片側3扉の転換クロスシート車

 名古屋で東海道本線の電車を待っていると、座席の向きが列車の進行方向を向いた電車ばかりがやってきます。この座席は「転換クロスシート」と呼ばれていますが、311系は転換クロスシートを備えた車両として1989(平成元)年に登場しました。

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1989年にデビューしたJR東海の311系。写真は1990年に増備のG14編成(画像:写真AC)。

 JR東海の在来線の車両のうち、快速や普通列車で使用しているものは、1両の長さが約20mで、片側に3箇所の扉を備えているのが標準的です。JR東海が保有する車両のうち、全長20m級の3扉の車両で、車内の座席に転換クロスシートを採用したのは311系が初のことでした。のちにJR東海の名古屋地区の電車では、全長20m・3扉・転換クロスシートが標準的な仕様となりましたが、この基本スタイルを作り上げたのが311系という電車なのです。

金山総合駅の開業にあわせてデビュー

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Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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