変化した「駅弁大会」 高単価商品が続々のワケ “現地でしか買えない”だけでない価値追求

全国各地の有名駅弁が総結集した「駅弁大会」は、毎年1月・2月に百貨店の催事場で行われます。各地方の駅弁販売の場が徐々に減少するなか、各社はそれぞれの強みを生かした新作駅弁、高単価のオリジナル駅弁で勝負をかけています。

業者の強みを存分に生かす! 新作駅弁の数々

 この駅弁大会に向けて、各社はそれぞれ新商品を投入します。今回の大会のメインともいえる「人気駅弁屋 新作弁当の競演」「新作豪華駅弁合戦〈絶品牛肉 vs 贅沢海鮮〉」に向けた新商品は、それぞれの強みや個性を生かし、定番の駅弁よりしっかりした単価で各社が勝負を賭けています。

 なかでも、食材の扱いを最大限の武器にしているのは、武雄温泉駅弁「カイロ堂」でしょう。今回「佐賀牛サーロインのみで作った極みステーキ&すき焼き弁当」を投入する同社は、もともと佐賀県を本拠地に焼肉店を手広く展開しており、日本有数のブランド牛である佐賀牛を一頭買いし、部位ごとの美味しさを最大限に引き出すことができるのが強みです。

 もともと駅弁が存在しなかった武雄温泉駅で同社が駅弁販売を始めたのが2010(平成22)年、立て続けに開発した「佐賀牛すきやき弁当」「佐賀牛極上カルビ弁当」は、九州の駅弁ナンバーワンを投票で決める「九州駅弁大会」で3連覇(2012~14年)を果たしました。その後も各大会に向けて新商品の投入を常に続けていることが人気の秘訣と言えるでしょう。

 石川県の加賀温泉駅弁「高野商店」は、コロナ禍により100年以上の歴史で初めて長期休業を余儀なくされ、その後も製造・販売を社長が一人でこなす状態が続くなど、会社として辛く苦しい時期が長引いたといいます。同社が拠点とする加賀温泉駅は2023年度末に北陸新幹線が開業しますが、その関係で2年も仮駅での営業が続いていることもあって、大会にかける意気込みは並々ならぬものがあるそうです。

 同社の新作「加賀かに御膳」は、香箱蟹(ズワイガニのメス)にかにみそが添えられています。この蟹は一般的なものに比べて味・香りが良いものの、剥きづらいのが特徴で、膨大な手作業を要します。そうした食材をあえて投入するあたりにも、同社がこの大会に賭ける様子が伺えます。

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丸政「そば屋の焼き天むす」実演販売ブース。丸い焼き天むすにソースを塗る(宮武和多哉撮影)。

 また実演ブースや、地方から取り寄せた商品を集めた「輸送駅弁」コーナーでも、工夫を凝らした新作駅弁を多く見ることができます。2022年に話題になりそうな新作といえば、実演なら山梨・小淵沢駅弁「丸政」の新作「そば屋の焼き天むす弁当」、輸送駅弁なら新神戸駅弁・淡路屋の「JR貨物コンテナ弁当 神戸のすき焼き編」などでしょうか。

【スタート!】2022年京王「駅弁大会」写真で見る

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