「日本の新鋭軽巡恐るべし」「特異な巡洋艦」世界を震撼させた「夕張」1隻で終わったワケ

旧海軍の艦艇のなかで軽巡洋艦「夕張」ほど、後の軍艦設計に影響を与えた艦はありません。しかも「夕張」は、軍艦のバイブル「ジェーン軍艦年鑑」で8年間も「特別説明」されるほど偉大な軍艦でした。それは何故なのでしょう。

金欠事情が画期的な艦を生み出した源

「夕張」が計画されたのは、1917(大正6)年度。当時、旧日本海軍は戦艦8隻、巡洋戦艦4隻の整備を目指した、いわゆる「八四艦隊計画」を推進していた時期で、その予算で建造が計画されたのです。同期の軍艦は加賀型戦艦や天城型巡洋戦艦、球磨型や長良型の両軽巡洋艦でした。

Large 20220110 01
旧日本海軍の軽巡洋艦「夕張」(画像:アメリカ海軍)。

 この時点で、日本の国家予算に占める軍事費の割合は、40.4%にも達していました。しかし、日本はアメリカへの対抗上、さらに強大な戦艦8隻、巡洋戦艦8隻を中心とする八八艦隊を目指していたため、さらなる軍事費の増額は避けられない情勢でした。

 こうした情勢下、藤本喜久雄造船大佐が画期的な巡洋艦を着想し、それに賛同した平賀譲造船少将が関係方面を説得して、建造にこぎつけたのが「夕張」でした。平賀造船少将は5500トン型のいわゆる球磨型や長良型13隻を、3100トン型すなわち夕張型13隻にすれば、戦艦1隻分の建造費用を捻出できると説き、5500トン型の1隻を「夕張」に変更させたのです。

 当時の「大正六年度計画」を参考にすると、軽巡が691万円、小型軽巡が455万円ですから、13隻で3068万円の差となります。同年度予算の加賀型戦艦「加賀」が2692万円ですから、実現すれば戦艦1隻分は安くなる計算でした。

【外観からも差は歴然】「夕張」と同世代の軽巡洋艦たち

最新記事

コメント

4件のコメント

  1. オマハの注釈がある写真は夕張ですよね

    • ですね、

      オマハ級は4本煙突だし

  2. 拡大画像

    アメリカ海軍の軽巡洋艦「オマハ」(画像:アメリカ海軍)。

    とありますが、夕張でしょう。

    • 乗りものニュース編集部です。

      このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。

      修正いたしました(写真を差し替え)。

      これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、

      何卒よろしくお願い申し上げます。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス