【空から撮った鉄道】篠ノ井線にある2箇所のスイッチバックをクモヤ143形と共に狙う

篠ノ井線には姨捨駅と桑ノ原信号場の2箇所にスイッチバックがあります。通過型の構造で特急列車はスルーして通過しますが普通列車はスイッチバックします。クモヤ143形連結の臨時列車を追いながら、2箇所のスイッチバックを巡ります。

この記事の目次

・篠ノ井線のスイッチバックは通過型
・「懐かしの115系湘南色号」運転の2日前には地上から
・あえてクモヤ+115系湘南色の撮影は姨捨駅発車後から
・普通列車同士の交換シーンも

【画像枚数】全18枚

篠ノ井線のスイッチバックは通過型

 スイッチバックにはいくつか種類があります。「空から撮った鉄道」でも紹介した豊肥本線立野スイッチバックは「Z」形をしており、全ての列車はジグザグに行ったり来たりします。対して、今回紹介する篠ノ井線の姨捨駅と桑ノ原信号場は、ジグザグに行き来せずに勾配を上り下り可能な通過線を設けた「通過型スイッチバック」となっております。言葉ではうまく表現しにくいので、姨捨駅を上空から俯瞰した姿をお見せしましょう。

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真上から見た篠ノ井線姨捨駅のスイッチバック。右が篠ノ井・長野方で左が松本方。中央から右上に姨捨駅が見える。写真中心部を見るとスイッチバックせずに通過できる構造が分かる(2014年7月21日、吉永陽一撮影)。

 篠ノ井線のスイッチバック群を空撮するのは定期列車でも構いません。ただし、それでは姨捨駅の普通列車がスイッチバックするシーンは空撮できますが、桑ノ原信号場は通過扱いのため行き来するシーンが撮れません。さてどうしたものかと考えあぐねていると、臨時列車「懐かしの115系湘南色号」運転の情報を得ました。クモヤ143形+115系湘南色3両編成という、荷物電車併結の国鉄時代を再現した列車で、桑ノ原信号場にも停車して普通列車と交換します。これを狙います。

「懐かしの115系湘南色号」運転の2日前には地上から

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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