「モハに給油」の違和感が物語る―進化する「鉄道」 燃料の20%は別のもの

「モハ」というと通常は電車のことですが、それに燃料を給油するシーンをJR東海が公開しました。しかも給油したのは、普通の軽油ではありません。背景に、JR東海のある取り組みが存在します。

JR東海「モハに給油」を公開

「モハ」や「キハ」という言葉、意味は分からなくとも、何となく鉄道の話だと分かる人、いるかもしれません。ネットニュースで目にしたり、周囲の鉄道好きが言っていたりするでしょう。

 ごく簡単にいうと、「モ」は動力用に電気モーターを搭載する電車、「キ」は動力用にディーゼルエンジンなどを搭載する気動車を意味し、「ハ」は普通車を意味。なので、「モハ103形」だと普通車の電車、「キハ58形」だと普通車の気動車、になります。

 そのため「キハに給油」は変ではありませんが、「モハに給油」は、なにやら変です。

 しかし、JR東海が2022年度にデビューさせる予定の新型特急車両「HC85系」では、「モハに給油」します。搭載したディーゼルエンジンによる発電と、同じく搭載する蓄電池で、電気モーターを駆動させて走るハイブリッド車両だからです。架線から電気を取り入れるパンタグラフは持っていません。

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特急「ひだ」「南紀」の次世代車両として登場するJR東海のHC85系(2022年2月9日、恵 知仁撮影)。

 ハイブリッド車両にすることで、快適性の向上などのほか、燃費向上によりCO2の排出量を削減できるといった環境負荷の低減が、その効果としてあげられます。

 こうした鉄道のハイブリッド車両では、国鉄時代からの車両形式命名方式である「モハ」「キハ」は使わないことが多いのですが、JR東海のHC85系は使っているため、「モハに給油」が発生しています。

 この「モハに給油」をJR東海が2022年2月9日(水)、報道陣へ公開しました(細かく言うとクモハ85-1への給油ですが)。

【写真】「モハの給油口」がある場所&仲よさそうなキハ85系とHC85系

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コメント

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2件のコメント

  1. 過去に軽油へ水20%近くを混ぜてエンジン動かす研究していた思い出。当時は燃料価格下落で研究中断。継続していたらモハには別の燃料が供給されていたのかも。

  2. 電気モーターというのはやめてほしいね。気色悪い。
    超音波モーターとか生物モーターとか特殊なものはあるけど電気で回すものは「モーター」でいいです。
    本文にディーゼルモーターとかガソリンモーターとか記述してあるなら納得しますがね