ナチスドイツ再軍備の象徴 戦艦「ビスマルク」進水-1939.2.14最後は英国の執念に根負け
ドイツ海軍の戦艦「ビスマルク」が1939年の今日、進水しました。旧式とされた「バイエルン」級戦艦ゆずりの設計思想は、イギリス艦隊の猛攻にさらされながらも威力を発揮。戦闘能力を失いつつも浮いていました。
「不沈艦」を造る
1939(昭和14)年の2月14日は、ドイツ海軍の戦艦「ビスマルク」が進水した日です。
第1次世界大戦で敗北したドイツは、ヴェルサイユ条約によって兵器の保有を制限されていましたが、1935(昭和10)年にヒトラーの再軍備宣言とともにドイツは条約を一方的に破棄し、最新戦艦の建造を開始しました。こうして造られたのがビスマルク級戦艦2隻です。なお、「ビスマルク」の進水から約半年後の9月1日、ドイツ軍のポーランド侵攻により、第2次世界大戦が勃発しています。
「ビスマルク」の基準排水量は4万1000トンあまりと、誕生当時は世界最大でした。イギリスの強大な海軍力に対抗すべく建造された最新鋭艦ですが、ベースとなったのは第1次世界大戦前に設計・起工した「バイエルン」級戦艦の設計思想といわれています。
それは艦全体を防御するというものです。特にイギリスでは第1次世界大戦時ですら、強力な装甲は艦の中心部のみという考えが主流でしたが、ドイツは装甲をまんべんなく艦に施し、「不沈艦」を造ろうとしました。重量物の装甲でたとえ鈍足になろうとも、沈まない軍艦は敵の脅威になり得るからです。「ビスマルク」は進水翌年の1940(昭和15)年8月に就役します。
本格的な戦闘はさらに翌年の1941(昭和16)年5月末、デンマーク海峡海戦に端を発するイギリス軍との交戦でした。イギリス海軍の最新鋭戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と巡洋戦艦「フッド」が、北大西洋へ向かう「ビスマルク」を迎撃したのです。
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