「冬の北陸」は魅力が低いのか?行って確かめてみた

無数の足がウネウネする冬 言い換えれば「得」なのか

「冬の北陸」、その魅力として「食」は欠かせません。

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口の中で広がってとろけた富山湾鮨(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 富山県内のすし店15店で利用でき、特典もつく「富山湾鮨セットクーポン」3500円を使って、富山城跡近くの「写楽」で昼食。口の中でとろけていきました。脂がのった寒ブリが。このセットクーポンは大好評で、10周年を迎えたそうです。

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ズワイガニがズラリとならぶ近江町市場(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 金沢市民の台所「近江町市場」では、たくさんの足がウネウネしていました。「冬の北陸」を代表する味覚、見るからに旨そうなズワイガニ(加能ガニ)たちです。それで味覚を満たすには財布のヒモを結構緩める必要がありますが、視覚だけでも旅情を大いに満たせます。

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越前の伝統工芸品と一緒に味わえた「天皇の料理番 秋山徳蔵トリビュートセレクション」(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 先述した、打刃物で知られる福井県越前市。大正から昭和にかけて「天皇の料理番」として活躍したという秋山徳蔵さんの出身地で、同地の料亭「萬谷」にて、「天皇の料理番 秋山徳蔵トリビュートセレクション」を味わうことができました。こだわりのヒレカツ、煮さば寿司などの美味しさは言うまでもないのですが、ここでは越前打刃物のカトラリー、越前和紙のランチョンマット、越前漆器の椀といった伝統工芸品を使用。そのナイフの切れ味といったら……! その点でも味に満足した食事になりました。

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福井駅近「福福茶屋」のおろしそば。同店では様々な郷土料理を味わえる(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 大根おろしとダシで食べる、福井の郷土料理「おろしそば」。辛そうにも思うのですが、いやいやどうして、逆に甘みを感じるほど。新そばや大根の時期を考えると、冬はそれを味わうのに向いたひとつのタイミングでしょう。福井駅周辺の店舗で使える「福井県産『そば食べ歩きクーポン』」も用意されています。

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JR西日本がアプリ「WESTER」で行っている「北陸5つの美めぐり スマホ de スタンプラリー」(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 観光客が減るという冬の北陸。日が短いだとか寒いだとか、また降雪がマイナスになる部分もあると思いますが、このように冬ならではの良さはあるほか、キャンペーンはそのテコ入れとして行われるワケですから、言い換えれば、ある意味お得です。JR西日本はアプリ「WESTER」で、北陸ゆかりの賞品が当たるスタンプラリーも、このキャンペーンに合わせて開催しています。

 2023年度末には、北陸新幹線が金沢駅から福井県の敦賀市まで延伸される予定。北陸新幹線は雪に強いですし、交通の利便性が高まっていくなか、今後ますます「冬の北陸」は注目かもしれません。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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