露軍が破壊 世界最大の飛行機「An-225」とは ナゼ世界に1機? "空飛ぶ世界遺産”無二の歴史

An-225「ムリヤ」はどう復活したのか?

 An-225「ムリヤ」は先述のとおり「ブラン」を輸送する任務に特化して開発されたものの、輸送機として評価の高いAn-124「ルスラン」ベースの設計を採用し大型化した機体でもありました。「ムリヤ」はその大きさもさることながら、機首部分が貨物ドアとして開く「ノーズ・カーゴ・ドア」を装備するなど、超巨大貨物の輸送にピッタリだったのです。

 そこで、アントノフ航空はAn-124では対応できない長大貨物への需要も見越して、An-225を再生し、2000年代から貨物機として運用を開始、現在に至ります。日本に飛来したことも数度あり、2011(平成23)年の東日本大震災では救援物資輸送のために来日。直近では、2020年6月、新型コロナ関連の物資輸送任務のなか、給油のために中部空港に立ち寄っています。

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2010年9月、自衛隊の海外派遣を支援するために仙台空港へ飛来したAn-124「ルスラン」(柘植優介撮影)。

 ちなみにAn-225につけられた「ムリヤ」の愛称は、日本語では「夢」という意味を持ちます。An-225はウクライナにとってもある種、象徴的な航空機であることは、2021年のウクライナ独立30周年の記念行事でAn-225がキエフ上空を展示飛行した様子などでも窺い知ることができます。

――そのデザインや大きさだけでなく、その経緯、これまでの活躍から“空飛ぶ世界遺産”ともいえるAn-225「ムリヤ」。ウクライナ当局は「この機を復活させる」といったコメントを出しています。一刻も早く今回の軍事侵攻が終結し、この「夢」が詰まった飛行機が再び空を翔けるための新たな一歩を踏み出し、いつの日か、また日本に姿を見せてくれる日が来ることを祈るばかりです。

【了】

【写真】宇宙船背負ってる! 「An-225」の別角度&貨物室

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