「作業員の命を奪います」工事規制帯に突っ込む事故相次ぐ 原因はスマホ? 対策は

抜本的な対策は?

 規制範囲を広げても、いざクルマが高速で突っ込んでくれば大惨事になりかねません。各社どのような対策をしているのでしょうか。

 NEXCO東日本関東支社によると、高輝度反射材や光るバルーン、あるいはガードマンロボを使用するなどして、規制区域を目立たせる取り組みを行っているとのこと。作業員に危険を知らせるシステムや、規制区間の末端で、突っ込んできたクルマを「強制的に止める」機材も導入しているそうです。

 抜本的な対策もあります。そのひとつが、「ロードジッパー」、日本語で「移動式防護柵」と呼ばれるものです。1個あたり680kgあるブロック状のコンクリート柵を並べ、それを「BTM(Barrier Transfer Machine)」と呼ばれる車両で反対側の車線に整然と移設させることで、車線の切替を容易にするものです。カラーコーンによる仕切りと比べて、作業員の安全性も大幅に向上します。

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国道357号では2022年1月、真ん中の車線を規制した工事エリアへの衝突事故が相次いだ(画像:千葉国道事務所)。

 もうひとつ、NEXCO中日本が運用しているのが、「ハイウェイ・トランスフォーマー」と呼ばれる特殊車両。これは車両そのものが防護柵になるというものです。トレーラー中央部の外壁にあたる保護ビームが伸び(最大車両長約23m)、作業員はその壁のなかで作業ができ、移動も容易です。

 ただし、どちらの車両も数は限られているうえ、すべての工事に出動できるわけではありません。開通から年月を経た高速道路では、老朽化対策の必要性が日に日に高まっており、路上作業員の安全確保がますます重要になりそうです。

【了】

【作業員の命を奪います】悲痛な叫びのポスターほか 画像で見る

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コメント

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2件のコメント

  1. 広告が邪魔で読みない

  2. 一般道の道路工事現場だって実際に起きている、作業員だけでなく交通誘導警備員も跳ねられて死亡している