東急田園都市線 幻の「蛇崩川ルート」とは 桜新町~用賀で「大回り」になった事情
東急が新提案した「蛇崩川ルート」とは
新たなルート選定にあたっては、免許の段階で、運輸審議会から意見が入りました。それは、「国道246号が拡幅される見通しなので、もし間に合うなら、渋谷~三軒茶屋はこの道路の地下に通すべし」という内容でした。
それから半年後の1959(昭和34)年7月。東急は具体的なルート、いわゆる「蛇崩川ルート」を設計します。そのルートは、渋谷駅から銀座線を延伸し、トンネルに入り、大橋でいったん地上に。そのあと三軒茶屋まで国道246号の地下を通過。そこからは現在のルートとは大きく異なり、弦巻通りに沿って流れる蛇崩川の上を高架で西進、用賀中町通り付近で玉川線と合流する、というものです。
地形の凹凸に合わせ、高架の途中には2か所のトンネルが設けられる計画でした。アップダウンを極力少なくして高速運転を図り、なるべく河川敷を利用して用地買収をスムーズに進め、さらに用賀の社有地に車庫を設置できるルートでした。
途中駅は大橋・池尻・三軒茶屋・上馬・弦巻・用賀・瀬田の7つが考えられ、池尻・三軒茶屋・瀬田の3駅がトンネル内で、その他は高架駅となっていました。
さて、この設計を手に、あとは工事施工認可を受けるのみです。しかしそれに先だつ地元説明では、「一刻も早く新線を完成させてほしい。だが、全線を地下にしてほしい。国道246号の地下に建設できないのか」という意見が噴出し、調整は難航します。
東急は、「地元の意見(全線地下化)は尊重する。ただ、肝心の国道246号の工事がいつになるかわからないので、同時に工事するための計画が立てられない。もたもたしていると施工認可申請の期限が切れてしまう」という状況でした。
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