【空から撮った鉄道】「赤い電車」京浜急行電鉄を空から見てみよう 後編
京浜急行電鉄の後編です。前編は横浜まで紹介しました。後編は横浜市内中心部、金沢八景、三崎口、浦賀を紹介します。
この記事の目次
・横浜市内は高架あり、掘割あり、トンネルあり
・金沢八景からは逗子線へ
・本線に戻って南下
・最後は久里浜線
【画像点数】全26枚
横浜市内は高架あり、掘割あり、トンネルあり
「京浜急行電鉄を空から見てみよう」の後半は、横浜駅からスタートします。本線は浦賀まで延びており、金沢八景駅から逗子線、堀ノ内駅から久里浜線が分岐しています。
横浜駅の先でJR根岸線を潜ったあとは高架橋となります。高架橋は前身の京浜電鉄が、1931(昭和6)年に完成させた戦前製のもので、この先の戸部駅まで続いています。戦前製の高架橋といっても鉄筋コンクリート(RC桁)なので、レトロな雰囲気はほとんどしません。地上だと細部の構造や意匠に古さを感じますが、さすがに上空からだと、せいぜい桁の数が多いなと感じるくらいですね。
この高架橋で一ヶ所気になるところがあります。横浜市西区平沼一丁目にある旧平沼駅の存在です。旧平沼駅は1944(昭和19)年に廃止となった後、1945(昭和20)年5月29日の横浜大空襲によって被害を受けてしまいました。戦後は解体されることなくホームと階段の遺構を残しており、平成の中頃までは架線柱の役目をするアーチ状のホーム屋根鉄骨も残っていました。
子どものころ京急に乗車して前面を眺めていたとき、朽ちたアーチ状の屋根鉄骨とホームの遺構が目に留まり、その姿が痛々しく感じたので鮮明に記憶しています。空撮するようになってから、「そういえば平沼駅の存在が気になるな」と、平沼一丁目の高架橋を狙いました。上からだと階段の様子やホームの形状がよくわかります。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。