「国際宇宙ステーションが落ちるぞ」は本当か ロシア宇宙企業トップの脅しを検証する

ウクライナ侵攻以来、ロシアは宇宙開発の分野でも情報を間引いて発信しているようです。そのまま捉えれば危機感を感じるものの、逆に間引かれた情報を補えれば、ISS含め、国際宇宙開発には大きな影響がないことがわかりました。

地上に落ちてくるのは500t中の一部

 なお、ISSの重量が約500tというのはおおむね正しい数字です。しかし、落下時にこの全てが地上に到達するわけではありません。

 ISSの大部分は薄くて軽い構造物でできています。太陽電池や各有人モジュールの外壁が該当しますが、これら薄く軽い構造物はほぼ全て、大気圏再突入時の熱で燃え尽きてしまいます。しかし、宇宙船のドッキングポートや各モジュールの接合部、船外活動の際に出入りするエアロック、ロボットアームの間接部などは頑丈に作られているため燃え尽きない可能性が高い部分です。

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ISS通過範囲の水域と陸域(金木利憲作図)

 実際に地上に落ちる重量がどのくらいか見積もるのは難しいですが、2001(平成13)年に大気圏に再突入したロシアの宇宙ステーション「ミール」を参考にすると、全体で約140tあったのに対し、うち25tほどが燃え残って落下したと推定されています。同じ比率だと仮定すれば、約500tに対し90tほどとなります。

 90tといってもなかなか想像しづらいので、国際線の旅客機と比べてみましょう。たとえばアメリカ製のボーイング777-300ERは約160t、ヨーロッパ製のエアバスA380は約277t。これら大型機よりもずっと軽いことがわかります。さらに、90tがひとかたまりとなって落ちてくるわけではなく、数百から数千の破片に分かれて降り注ぎます。

 加えて、ISSの軌道下にある水陸の比率は水の方が広く、地上も砂漠などの無人地帯が含まれることを考えると、人口密集地に直撃して大きな被害が出る確率はかなり低く、ましてや一人の人間に直撃する確率はほとんどないことがわかります。なお、ゼロでなければ不安という方もいるかも知れませんが、それは杞憂といえるでしょう。

【ロシア製以外もあります】ISSに行くための補給船と有人宇宙船

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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コメント

1件のコメント

  1. 無かったら困りますかね

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