メソポタミアで出土した戦闘機のナゼ オーパーツならぬMiG-25が埋められた経緯と目的

なぜ戦闘機は土中に埋められたの?

 アメリカのブッシュ大統領(当時)はフセイン大統領に対し、何度も安保理決議に従うよう警告を発します。それはフセイン政権を武力で打倒する用意があること、軍事力の行使もあり得ることさえ明言する強いものでした。そして実際に、イラクとの国境に軍隊をも集結させました。

 それでもなおフセイン大統領は応じようとしません。その結果アメリカなどにより結成された「有志連合」は2003年3月20日、開戦に踏み切り、同4月9日に首都バグダッドを陥落させるなど、フセイン政権はあっというまに崩壊してしまいました。

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発掘されたMiG-25は2022年現在、国立アメリカ空軍博物館において保管されている(画像:アメリカ空軍)。

 イラクを制圧した有志連合は大量破壊兵器の捜索を開始します。ところが不思議なことに、何故かイラクの大量破壊兵器は発見できません。その代わりに土中からMiG-25が発見されるなど、各地に戦闘機が隠されていることが明らかとなりました。

 MiG-25などが埋められていた理由そのものはすぐに判明しました。1991(平成3)年の湾岸戦争時、イラク空軍は戦闘機の多くを鉄筋コンクリート製の掩体(強化格納庫)で防御していましたが、アメリカ軍によって誘導装置付きバンカーバスター(貫通爆弾)を大量に投射され、多くの戦闘機が地上撃破されていました。

 湾岸戦争において掩体では戦闘機を守れなかったという経験から、戦闘機をどこかに隠さなくてはならないという考えが生まれ、そして実際にMiG-25を埋めたのです。

 謎のひとつはこれで解決しました。しかしまたひとつの謎が生じます。「温存してどうするつもりだった」のでしょうか。

マトモな姿のMiG-25 写真で見る

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コメント

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3件のコメント

  1. つまりモスクワのSu-35に・・・

  2. 皮肉の効いた結びでクスッときた
    こういうの好きですよ

  3. 日本もただでさえ中国と比べて少なすぎる戦闘機、大事に隠匿しましょう。初手で全滅させられてから必要に気づいても無駄です。日本の技術なら数日で出来るでしょうよ。1機130億もするんだから!