軍事侵攻は「ロシア製旅客機」にも影響甚大? 日本ではレア“最新露産旅客機”の実情とは

ウクライナ問題の中心であるロシアは近年、海外でその姿こそ広く知られてはいないものの、旅客機の開発に実は注力していました。どのようなものがあり、今回の侵攻はどのような影響があるのでしょうか。

航空機の名門ひしめく露 なのになぜ旅客機は少ない?

 ロシアによるウクライナ軍事侵攻は、ロシア、そして世界の民間航空にも大きな影響を及ぼしています。代表的なのが、国外のリース会社からロシアの航空会社が借り受けている500超の旅客機を、返却せずにそのままロシアが接収するというトラブル。これらはエアバスやボーイング製の旅客機が多数です。
 
 ただ実はロシアは近年とくに、自国でも旅客機の製造開発に注力しています。そしてこの軍事侵攻の影響は、それらロシア製旅客機にも及びそうです。

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イクルートMC-21(画像:UAC)。

 そもそもロシアは、旧ソ連時代から軍民問わず、まさに“言わずと知れた”航空機開発の名門国です。ただソ連崩壊後はとくに民間機部門の新型機開発は下火となり、旧西側の航空機メーカーに水を開けられてきました。たとえばアエロフロートをはじめとするロシアの国内航空会社も、ソ連崩壊前はツポレフやイリューシン製を使っていたのとは異なり、現在はエアバスやボーイングばかりです。

 しかしロシアは旅客機の開発を投げだしたわけではありませんでした。近年では、かつて欧米としのぎを削りあったように、新型機開発に注力してきました。ただ一方で、その新型機の姿や動向は、欧米メーカーほど目立ちません。欧米メーカーの旅客機の使用率が非常に高い日本だとなおさらその傾向が強く、ロシアの新鋭旅客機は「レア」に分類されるでしょう。

 というのも、現在ロシアが注力するジェット旅客機は、いわゆる短距離国内線を主戦場とする、100席以下の「リージョナル・ジェット」、もしくは多くとも200席クラスの単通路機分野に限られているためです。

【写真17枚】かな~りエアバス似!? ロシア「MC-21」操縦席&色んな角度から

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