軍事侵攻は「ロシア製旅客機」にも影響甚大? 日本ではレア“最新露産旅客機”の実情とは

ウクライナ問題の中心であるロシアは近年、海外でその姿こそ広く知られてはいないものの、旅客機の開発に実は注力していました。どのようなものがあり、今回の侵攻はどのような影響があるのでしょうか。

侵攻中止は2機の最新モデル成功への鍵?

 MC-21が今夏にアエロフロートでの就航が望まれているなかで発生したのが、今回のウクライナ侵攻です。侵攻後の3月中旬、ユーリー・ボリソフ・ロシア副首相から、「フラッグシップ的計画であるMC-21とSSJ100の計画を早期に進めるよう」指示が下されたといいます。

 しかし、システムが複雑に進化した現代のハイテク旅客機を1国だけで開発するのは現代では割に合わず、これら2機種も西側諸国の協力なしに成功を収めることは、ほとんど不可能な状態といえるでしょう。

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欧米産のモデルが並ぶアエロフロートの旅客機(画像:アエロフロート公式Facebookより)。

 それどころか、航空機、その部品をはじめとするハイテク製品は、欧米側からロシアへの“警告のカード”として強い力を持ちます。事実米国は侵攻から間髪おかずに、ロシアへ航空機部品などハイテク製品の輸出へ厳しい制限をかけました。他国も協調すれば、「ロシアのハイテク製品の輸入は半分以上減る」とされています。

 MC-21やSSJ-100が旅客機としてライバル機に遅れをとる性能でなければ、もしかすると今後、航空会社から評価をうけ、多くの国々で見ることが増えるかもしれません。――ただ、それにはまず侵攻をやめることが不可欠といえるでしょう。平和な空を飛ぶのが旅客機なのですから。

【了】

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飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。

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