アポロ計画再び 人類を月へ送る「アルテミス計画」使用ロケットが最終試験へ

アポロ計画から約半世紀、アメリカが再び月を目指そうとしています。宇宙飛行士を運ぶ宇宙船を打ち上げるため、新たな超大型ロケット「SLS」の開発も進んでおり、最終テストに臨んでいます。

超巨大ロケットSLSの概要と役割

 では、「オリオン」宇宙船を打ち上げるためのロケット、SLSについて見てみましょう。これは、アメリカが開発中の超大型使い捨てロケットで、現在テスト中の「ブロック1(Block 1)」と呼ばれるタイプでは全長98.3m、最大直径8.4m、打ち上げ時の重量2608tと、アポロを打ち上げた「サターンV」ロケットに次ぐ大きさを誇ります。

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SLSの大きさ比較(画像:NASA)

 特筆すべきは、機体に「スペースシャトル」の遺産が用いられている点です。オレンジ色をした1段目は「スペースシャトル」打ち上げ時の外部燃料タンクを元に開発されており、そこに取り付けられる4基の液体ロケットエンジンは、メインエンジンであったRS-25Dです。両側に取り付けられる白く細いSRB(Solod Rocket Booster:固体ロケットブースター)も、「スペースシャトル」用の4セグメントタイプを5セグメントに延長して使用しています。

 エンジンもSRBも、「スペースシャトル」時代には再使用することを前提に開発されたものです。これらを今度は使い捨てるので、ある意味でとても豪華なロケットだと言えるのかもしれません。

 2段目は暫定極低温推進段(ICPS)と呼ばれ、「デルタIV」ロケットの第2段に用いられるDCSSの発展型です。

 なおSLSは、将来的に能力を向上させていく構想があり、現時点で「ブロック1B」「ブロック2」と発展タイプが開発されることが考えられています。現在のところ、「アルテミスIII」の月着陸まではブロック1が、4号機から8号機までが1B、以降が2という計画になっています。

 SLSはアルテミス計画においてオリオン宇宙船を搭載してゲートウェイへの乗組員輸送を担う予定となっており、2022年4月以降の初飛行を目指して準備が進んでいます。

 ちなみにNASAでは、SLSの発展型を火星有人探査に使おうという計画もあるものの、これはしばらく先の話となるようです。

【了】

【クルーが乗り込むのは先端部分】SLSロケットの発展&構造などがわかる分解図ほか

Writer:

あるときは宇宙開発フリーライター、あるときは古典文学を教える大学教員。ロケット打ち上げに魅せられ、国内・海外での打ち上げ見学経験は30回に及ぶ。「液酸/液水」名義で打ち上げ見学記などの自費出版も。最近は日本の宇宙開発史の掘り起こしをしつつ、中国とインドの宇宙開発に注目している。

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