「ホンダロケット」飛ぶ日は近い? 宇宙事業の全貌明らかに「既存事業と親和性ある」
大きなビジネスチャンスがあるといわれる宇宙空間。大手自動車企業であるホンダも2021年4月にロケット開発を進めていることを明言し話題になりました。取材してみたら、月で事業活動を行うほどのビッグプロジェクトでした。
ホンダが考える宇宙事業のビジョン
宇宙空間は一部で“次代のブルーオーシャン”といわれるほど、大きなビジネスチャンスがあるとされています。宇宙事業はいまやさまざまな分野から注目を集めていますが、そこにホンダ(本田技研工業)も参入を計画していることを、2021年4月下旬、就任間もない三部敏弘社長がコメントし、話題になったのは記憶に新しいところです。
今回、それに関連する形で同社のグループ企業である本田技術研究所(Honda R&D)が、空や宇宙、ロボットへの取り組みについて説明する「Honda新領域ビジョン・テクノロジー取材会説明会」を2021年9月28日(火)に開催しました。
宇宙分野に関して説明にあたったのは、本田技術研究所内の先進技術研究所担当である小川 厚執行役員。そもそもホンダは、宇宙事業への参入を「宇宙領域への挑戦」と捉えており、宇宙ロケットの打ち上げだけでなく、月面での循環型再生エネルギーシステムの構築や、遠隔操作ロボットの運用まで想定していることがわかりました。
すでにホンダは2021年6月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と月面における循環型再生エネルギーシステムに関する実現性検討を共同で開始すると発表しています。これについては、ホンダが持つ燃料電池技術と高圧水電解技術を組み合わせることを考えているそう。
これは月面において水を電気分解し、水素と酸素に分けて貯蔵。その水素と酸素を使う燃料電池技術を用いて発電することで、電力供給が可能となります。また酸素は月面に滞在する人の居住用、水素はロケットの燃料として、それぞれ活用可能です。こうすることで月面に循環型再生エネルギーシステムを構築し、有人活動を行えるようになるとのことでした。
人類が地球からいなくなっても、ロボット君は紫外線や荷電粒子を浴びながら何万年も月面に…