米軍も認めた「上陸作戦のプロ」旧日本陸軍 なぜ太平洋戦争で崩壊? 空を押さえられた兵站の末路

日本陸軍の上陸作戦能力や海上輸送作戦能力は、1930年代末には、すでに完成の域に達していました。これらの軍事行動を支えていたのが「揚陸作業」です。地味ながら非常に重要、しかし危険な作業の実際とは。

太平洋戦争時の荷役効率はどの程度?

 では、実際の荷役効率はどの程度だったのでしょうか。

 太平洋戦争劈頭のマレー半島上陸作戦では、シンゴラで第一線の戦闘部隊である歩兵6個大隊を約30分で揚陸させています。ついでタペーでは3個大隊を1時間で。強襲上陸になったコタバルでは3個大隊を4時間かけて揚陸しました。かなりのスピードのように思えます。では師団全体で、戦闘部隊の人員だけでなく、すべて上陸させるには、どのぐらいの時間がかかったのでしょうか。

 まず接岸荷役です。これは港湾設備が貧弱なアジア・太平洋地域では、ほとんどが船のデリック・クレーンを使用して行われました。この場合の荷揚量は、1隻あたり1日で1000tでした。これが沖荷役の場合は約800tに低下します。また軍隊輸送船に取り付けた荷重20tのデリック・クレーンだと、1時間あたり馬30頭、一般的な貨物40t、火薬類で15tが荷揚できました。

 なお1個師団の軍需品は、「一会戦分」と呼ばれる、師団が3~4か月の間戦うことができる目安とされる量は、各種弾薬・食料・馬料などの軍需品のみでおよそ1万tにのぼりました。

 師団全部と軍需品を積んだ輸送船団(排水量15万総トン)からすべてを沖荷役で揚陸するためには、海岸から2~3kmのところに泊地を置き、5日ほどの日数が必要でした。「大発」と呼ばれる上陸用の舟艇などを使用してどんなに素早く戦闘部隊を上陸させても、そのあとに続く、部隊の能力をフルに発揮させるための後方部隊や物資を揚陸させるには、これぐらいの時間がかかったのです。

【写真】空の守りのないなか、敵の攻撃にさらされる上陸部隊

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コメント

3件のコメント

  1. 乗りもの?ミサイルの時代に島国に陸上兵力なんてクーデター対策か?

    • 今どきそんなこと言う人がいると思わんかった

  2. 輸送船団を護衛する、護衛空母部隊。その戦略的意味すら理解できないまま、太平洋に無数の貨物船を海没させてしまった、陸海軍の上層部。そんな部隊さえも準備できる国力も無いままに、あの対米戦に突入した、無能な海軍軍令部に、陸軍参謀本部。これは、この当時だけの欠陥でしょうか?今、ロシア・中国の脅威が差し迫っている現代こそ、この太平洋戦争時の戦訓を謙虚に見直すべき時ではないでしょうか?

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