米軍も認めた「上陸作戦のプロ」旧日本陸軍 なぜ太平洋戦争で崩壊? 空を押さえられた兵站の末路

日本陸軍の上陸作戦能力や海上輸送作戦能力は、1930年代末には、すでに完成の域に達していました。これらの軍事行動を支えていたのが「揚陸作業」です。地味ながら非常に重要、しかし危険な作業の実際とは。

戦場で崩壊する揚陸作業

 当然ながら、こうした揚陸作業には、味方の航空部隊が上空で航空優勢を確保していることが前提になります。太平洋戦争においてそれが崩れ始めるのが、1942(昭和17)年の8月からはじまったガダルカナル島をめぐる戦いからでした。

 このとき、同島の飛行場が完成直前にアメリカ軍に占領されたことから、日本軍は、はなから敵の航空優勢下での強行輸送が求められました。このため、最後は、輸送船が沈まないように海岸に擱座させるという手段まで取られましたが、たとえば10月10日に行われた第三十八師団の輸送では、揚陸のための泊地を中心に11隻中7隻が沈没し、残りも5日後の15日までにすべて失われています。

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フィリピンのリンガエン湾に上陸する旧日本陸軍の部隊。逆光だが、手前に大発が、後方の洋上に輸送船が見える(画像:大東亜戦争写真帖)。

 旧日本陸軍にとっては、これがガダルカナル島への最後の大規模な輸送船団を使用した作戦となりましたが、それよりも先にガダルカナル島へ上陸した第二師団も同じような目にあっており、さらには補給も満足に届かない状態でした。使用した輸送船は排水量換算でのべ95万総トン。隻数にして157隻でしたが、その損失は約50%にのぼっています。

 よく知られるように、前線の兵士は飢え、「ガ島(ガダルカナル島)」は「餓島」となりました。そして、これはガダルカナル島だけではありませんでした。1942(昭和17)年の終わりから翌年までのニューギニアへの軍隊輸送は、揚陸のための泊地で船が撃沈されるだけでなく、すでに輸送途中にも沈められるようになったのです。ここでは3万68総トンの船が失われました。

【写真】空の守りのないなか、敵の攻撃にさらされる上陸部隊

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コメント

3件のコメント

  1. 乗りもの?ミサイルの時代に島国に陸上兵力なんてクーデター対策か?

    • 今どきそんなこと言う人がいると思わんかった

  2. 輸送船団を護衛する、護衛空母部隊。その戦略的意味すら理解できないまま、太平洋に無数の貨物船を海没させてしまった、陸海軍の上層部。そんな部隊さえも準備できる国力も無いままに、あの対米戦に突入した、無能な海軍軍令部に、陸軍参謀本部。これは、この当時だけの欠陥でしょうか?今、ロシア・中国の脅威が差し迫っている現代こそ、この太平洋戦争時の戦訓を謙虚に見直すべき時ではないでしょうか?

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