軍艦の砲や機銃はなぜ少なくなったの? 時代が下るほど甲板上がスッキリしてきたワケ

技術の進歩で艦砲は生き残るも…?

 艦砲に関しては戦後しばらくすると、コンピュータ制御の導入や砲身冷却などのシステムにより、精度と発射速度が格段に進歩し、近距離戦用や対空用に単装の小口径艦砲が配備されるようになります。

 さらに対空用機銃のかわりとして、バルカン砲など、戦後開発された発射速度の速い動力式のガトリング砲などを搭載し、システムを完全自動化したCIWS(小型艦砲)も開発されます。これは航空機だけではなく、対艦ミサイルの迎撃も想定した防御火器でした。

 しかし2022年現在、対艦ミサイルの高性能化によってCIWSでは迎撃が困難であると指摘され、近接防空ミサイル(RAM)と併用されるようになっており、再びミサイルが主流になる可能性もあるようです。

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アメリカ海軍の戦艦「ニュージャージー」。写真は1944年に撮影されたもので、3連装の主砲や多数の銃座などが見える(画像:アメリカ海軍)

 ここまでを簡単にまとめると、かつての軍艦は発射速度の遅く、命中率の低い銃砲を「数撃ちゃ当たる」といわんばかりに甲板へ多数、配置していましたが、現在は砲自体の発射速度や命中精度が向上し、またミサイルの登場もあって、銃砲を所せましと配置する必要がなくなったために、スッキリとした印象を受けるというわけです。

 ちなみに模型の世界では、細かい突起物の多い大戦型軍艦は作りごたえや達成感がひと味違うと、愛好する人も多いようです。

【了】

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Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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5件のコメント

  1. 「補足」ではなく「捕捉」ですね。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  2. 大艦巨砲主義はもはやロストテクノロジーになってしまったといえよう

  3. 中露そして日本の最新&開発中の対艦ミサイルは超音速または
    極超音速三\(^o^)/ですが米英のは亜音速でもステルス((((-.-)
    で探知を遅らせ命中数秒前まで敵艦に気付かれない方向に進んで
    います((((#`皿´)(ToT)
    将来の対艦ミサイルの多数派が米英方式になるならリアクションタイムが短く初速が速い機関砲CIWS多数装備のリバイバルもあり得ると思います(^∇^)

  4. レーザー砲やレールガンが実用化されたらまた艦砲の形も変わってくるかもしれませんね。