空を漂う巨大レーダー 世界最大バルーン型の空中警戒システムをイスラエル軍が受領
実は40年前から実用化されていました。
最大1万5000フィートまで上昇可能な気球型レーダー
イスラエル国防省は2022年3月下旬、世界最大のエアロスタット(空中浮遊型航空機)の1つである「エレベイテッド・センサー」を軍に引き渡したと発表しました。
「エレベイテッド・センサー」はアメリカのロッキードマーチンなどが開発した気球タイプの空中警戒システムで、「TARS」(Tethered Aerostat Radar System:連結式エアロスタット・レーダー・システム)とも呼ばれるものです。
大きな布で構成されたバルーン上の内部にはヘリウムガスが充填されており、一本のケーブルで繋がれた状態で最大1万5000フィート(約4600m)の高度まで上昇することが可能です。下部にはレーダーシステムや発電機などを搭載しており、これらにより周辺200海里(約370km)の監視を行うことができるそうです。
最初のTARSは1980(昭和55)年12月にアメリカ空軍に引き渡されており、その後アメリカ税関や同沿岸警備隊などで運用実績があります。
これまでに約10機が製造されているものの、外国軍隊が採用したのは初とのこと。なおイスラエル国防軍によると、「エレベイテッド・センサー」は脅威度の高い物体をいち早く検知して早期に警告を出し、イスラエルの領空を守るための完璧な航空警戒管制システムを構築するのに役立つとしています。
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