外環道の真上に見える和食レストランのナゾ そこは「高速道路上の団地」だった

外環道を通っていると、トンネルの手前で、真上に和食レストランが見える箇所があります。現地へ行ってみると、そこには団地が。実はここ、日本初の「高速道路上の団地」です。

国の制度を活用した特別な場所だった

 この団地は西大和第三団地「デュプレ西大和」といい、1989(平成元)年に創設された「立体道路制度」を活用したものです。

 国土交通省の資料には、「住宅・都市整備公団(現・UR都市機構)という公的機関による大規模な土地所有形態であったことから同制度を適用し、事業を推進した」とあり、団地は1994(平成6)年に供用されました。

 外環道の本線に蓋をかけ、その上に団地や道路が建設されています。その道路は外環道の側道にあたり、「とんでん」の用地は「利便施設地区」としてあらかじめ計画されていました。道のど真ん中、かつ高速道路の真上にある飲食店は、日本でも極めて珍しい存在といえます。

 しかし居住棟が道路の真ん中にあるのは、人によっては不安に思うかもしれません。そこで、「利便性施設」の北側で側道の北行きをカーブさせて上下線を合流させ、居住棟は道路の外側になるようレイアウトしています。こうすることで、外環道上のスペースをうまく活用しているようです。

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右手前の居住棟や道路は外環道の真上(乗りものニュース編集部撮影)。

 このデュプレ西大和の事例では、土地の所有権は建物事業者にあり、道路事業者は区分地上権を有するという立体的な土地活用がなされています。国交省の資料では、「道路による地域の分断はなく、緑豊かな住環境が担保され、土地所有者は用地売却せず、道路事業者との弾力的な話し合いの上、幹線道路整備が促進された」とあります。

 立体道路制度によって、道路上に建物を立てたり、建物のなかに道路を通した事例は、それほど多いわけではありません。東京では環状2号線の上に立つ「虎ノ門ヒルズ」、大阪ではOCAT(大阪シティエアターミナル)などがありますが、公団住宅に適用したのは、デュプレ西大和が日本唯一です。

【了】

【写真でナルホド!】高速道路上の団地&ファミレスとは

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コメント

3件のコメント

  1. 外環道をよく利用します。大型車からの目線で、トンネルの上にレストラン??と不思議に思ってました。

    記事を読んで、写真を見て理解出来ました。

    常磐道の、柏IC〜流山ICの間にあるトンネルの上も、この様な感じなのでしょうかね〜?

  2. 家が近くなので謎でもなんでもなかった…

    外環の地下化された部分の地上は

    いくつか施設があるので特に気にしたこと有りませんでした。

  3. とんでんですよね。何回か利用したことあります。