かつて名神高速にあった「魔のカーブ」とは 事故多発で一部が廃道になっていた名神

名神高速には、開業当時のルートから付け替えられた区間があり、並行して旧ルートの使われなくなった遺構も残っています。ほぼ活かされることなく放棄された旧ルート、付け替えの背景には何があったのでしょうか。

開業から14年で付け替えられた「魔のカーブ」

 名神高速を名古屋方面から大阪方面へ向かい、関ヶ原ICを過ぎると、登坂車線のさらに左側に広いスペースが現れます。ここはヘリポートや雪氷対策の資機材置き場があったり、冬期にはタイヤチェーンの脱着場として使われたりする場所ですが、実はここは、かつての本線です。

 ここから大阪寄りにある今須トンネルの前後区間は、ルートが付け替えられており、上述のスペースは現道から旧道が分かれる部分にあたります。トンネルに並行する形で、高速道路外には旧道のカルバート(トンネルとなるコンクリートの箱)や盛り土などの遺構も残っています。

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名神高速上り線、今須トンネル手前。開業当初のルートから変わっている(2020年3月、中島洋平撮影)。

 日本で最初の高速道路(高速自動車国道)である名神は、トンネルを極力避けて建設されました。この区間も当初は谷間を縫うようなル―トで、名古屋方面から下り坂となるうえ、曲線半径280m(カーブを円弧としたときの半径の長さが280m)という急カーブが現れるような線形でした。なお、現行の道路構造令では、道路の設計最高速度が100km/hの場合、曲線半径は460m以上、地形条件などでやむを得ない場合でも380m以上にするよう規定されています。

 この「今須カーブ」では事故が多発し、当時の新聞などでは「魔のカーブ」とも呼ばれたことから、約2年半をかけて今須トンネル経由の新線が建設され、1978(昭和53)年に付け替えが実施されました。1964(昭和39)年の開通から、わずか14年後のことです。

 ちなみに、このような高速道路の「廃道」は、中央道にも存在します。山梨県内の上野原IC~談合坂SA間のうち、およそ1kmの区間は2001(平成13)年、片側3車線化にともない線形改良を兼ねてルートが付け替えらました。こちらは上り線側に、旧道の一部が往時の姿のまま残されており、NEXCO中日本グループにおける路上作業訓練の場としても使われています。

【了】

【航空写真】ぐいんと曲がっていたかつての名神「今須」

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