確かに「チェブラーシカ」だ! ウクライナの珍機アントノフAn-72 「翼の上にエンジン」の強み
珍デザインは共通!「An-72」の兄弟たち
An-72には派生型も存在します。北極圏での使用に堪えられるような装備をしたAn-74、早期警戒用のレーダーを尾翼に取り付けたAn-71などです。
ちなみに冷戦下の“西側諸国”で構成されるNATO(北大西洋条約機構)では、ソ連製の機体にコード・ネームを付けており、An-72は「コーラー」でした。一方ロシアでAn-72は、大きな耳をもつルックスが特徴であるソ連時代のアニメ・キャラクターにちなみ、「チェブラーシカ」という愛称が付けられていたそう。確かに前方から見たAn-72は、エンジンが“大きな耳”に見え、「チェブラーシカ」に似ています。
なお、同機を手掛けたアントノフ社の公式Twitterによると、このたびのロシアの軍事侵攻により壊された同社の飛行機は、世界最大の飛行機An-225「ムリヤ」だけではないとのこと。そのなかには、An-72の系譜を汲む、An-74も含まれていたそうです。
先述したとおり、いまのところ、中型ジェット輸送機のSTOL機はAn-72しか成功とはなっていませんが、今後、同様の「短距離離着陸ができるジェット機」というコンセプトの機体が生まれるのでしょうか。その行方は、まずはこのたびの騒乱が収まってからとなりそうです。
【了】
Writer: 種山雅夫(元航空科学博物館展示部長 学芸員)
成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。
ウクライナは技術立国でもあるんだよなぁ
豊かな穀倉地帯、戦車を作る事ができる幅広い分野での高い技術力(戦車を独自に開発して作るためには、冶金や材料工学、電子工学等などの各種の技術が必要になり、その全ての総和が戦車の性能となる)、ウクライナは旧ソ連時代には航空機、戦車、各種戦闘車両、戦闘艦船等を設計、製造してたんだよな
なんで、あんなに落ちぶれたのか不思議で仕方ない。