懐かしの山手線103系「最後の列車」とは? 前代未聞 ウグイス色をまとった寄せ集め珍列車
103系が運行を終了してすべて205系となったJR山手線でしたが、再び103系が山手線を走る機会がありました。車体は懐かしい山手線カラーの「ウグイス色」だったものの、車体は縞模様。どんな列車だったのでしょうか。
103系は京浜東北線と埼京線から
JR山手線ではE235系電車が使われていますが、その2世代前となる205系電車は1985(昭和60)年3月25日に営業運転を開始しました。その後、1988(昭和63)年6月26日に103系電車が運行を終了したことで山手線はすべて205系となりました。
しかし、それからおよそ2年4か月後に再び山手線を103系が走る出来事がありました。それが103系を使用したイベント列車「TECH TRAIN(テックトレイン)」です。
「TECH TRAIN」は、JR東日本が「国際鉄道安全会議」の開催を記念して運転したもので、車内には安全への先端技術の紹介やJR東日本のPRコーナーなどを設置していました。
運転日は1990(平成2)年10月20・21・27・28日と11月3・4日の計6日間で、各日とも池袋駅から池袋駅まで山手線内回りを3周しています。イベント列車のため応募者以外は乗車することはできませんでしたが、運転終了後は池袋駅の始発・終着ホームに長時間停車し、一般の人も車内を見学できたとのことです。
「TECH TRAIN」の運転にあたっては、すでに山手線に103系はいなかったため、先頭車2両は京浜東北線、中間車8両は埼京線の103系で編成を組んでいました。先頭車は「スカイブルー」から山手線の「ウグイス色」に塗り替え、前面と側面に白とグレーの縞模様を塗装。中間車もドアとドアのあいだ2か所に白とグレーの縞模様を塗装する出で立ち。1987(昭和62)年8月に運転された「レールランチ山手号」に匹敵する派手さで異彩を放っていました。
イベント列車ながらわずか6日間だけ復活した山手線の103系でしたが、「TECH TRAIN」の運転をもって山手線から103系は姿を消しています。
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