息ハァ~の「アルコール検知器」品薄なぜ? 白ナンバー車への義務化“延期要請“に現実味
需要に到底追い付かない供給 “義務化延期”が現実味?
大きな要因は、やはりコロナの感染拡大による世界的な半導体不足です。そうしたなか、今のうちに入手しておこうという動きが活発化し、さらに深刻な品薄につながっている状況があります。
たとえば、アルコール検知器の製造大手でもある健康機器メーカー、タニタにも注文が殺到。納品するまでに半年待ちとか。世界的な半導体不足だけでなく、中国・上海のコロナ感染拡大によるロックダウンで必要な部品の調達が難しいとのことで、従来の倍の金額を出して半導体を確保するなど、対応を急いでいると報じられています。また、全日本交通安全協会が購入を仲介するサイトもありますが、5月現在で受け付けを一時中止しています。
今回の改正で、新たに義務化の対象となる事業所は、全国で約34万に上るとされています。ただ、その予想以上に「市場の分母が大きい」――こう話すのは、国内の主要メーカーが参加するアルコール検知器協議会の担当者です。
この背景として、同協議会は「働き方」の変化があると指摘します。テレワークの普及で事業所に出社せず直行直帰というスタイルも広がり、1事業所に1台ではなく、1人に1台、検知器を持たせるような動きがあるといいます。また、車両5台以上を保有する事業所が対象ではあるものの、「本来は1台からでも導入すべきもの」とのこと。「34万事業所」という数では、到底収まりきらない需要があることがうかがえます。
同協議会は3月に会員企業へアンケートを行っており、回答した16社のうち14社が、10月以降も「供給は困難」と回答しています。協議会はこの結果から、国に対し義務化移行時期の延期要請を検討する状況と報じられていましたが、5月現在は「3月より欠品はさらに広がっているでしょう。今の状況ならば(延期要請は)間違いない」ということでした。
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