そば処信州 下手な店より「駅へ行け」? 駅そばの“数と質”が圧倒的な長野の鉄道
「チェーン化」進む長野の駅そば しかしクオリティ高
長野にはまだまだ多くの駅そば店が存在。「どうしても食べに行きたい!」と思わせるクオリティの高い店も少なくありません。
しなの鉄道線の軽井沢駅は、新幹線開業まで最大66.7パーミルという急勾配区間(横川~軽井沢)を控えた運行上の拠点でしたが、現在も横川の「おぎのや」がそば店を営業しています。細めの生麺は、食感がプリッとして噛むたびにその香りを楽しめて、1杯380円(2022年現在)。併設の売店で販売されている名作駅弁「峠の釜めし」も一緒にいただきたいものです。
駅そば店は近年、チェーン傘下に入るケースが全国的に増加しており、長野県内では、前出した松本駅の「榑木川」がその例です。裏手の親店舗である「榑木野」は、茅野駅や信濃大町駅などでも既存の店舗を引き継いでいますが、他県のチェーン店より明確に個性を際立たせています。
同系列は石臼挽きの八割そばを提供していますが、各店舗とも、時間がかかる生麺とは思えないスムーズさです。「生麺提供の駅そば店」は近年増えてはいますが、オペレーションや出汁・トッピングとの合い口でせっかくの生麺が生かされていないケースもある中、薄利多売の駅そばで高いクオリティを維持できているのは驚きです。
他方、ここ数年で篠ノ井駅や飯山駅など、そば店が消滅した駅もあります。それぞれの特徴を持ってしっかり生き残っている駅そばを、善光寺ご開帳や御柱祭見物のついでにも巡ってみてはいかがでしょうか。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
地元民からしても、下手なそば屋に行くくらいなら駅そばを勧めてたなぁ。
ただ、チェーン店になってから店員は変わらなくても味は確実に落ちた。
正直にもう行かないレベル。