「兄弟車」まだ必要? ノア/ヴォクシーはなぜ残ったか “中身同じで別車種”戦略の意義

ここ2年で一段と整理が進んだ兄弟車

 これが数多くの「キャラクター違い」の兄弟車を生むことになります。有名なのが「マークII/クレスタ/チェイサー」の3兄弟です。また、「カローラ」のスポーツモデルである「カローラレビン/スプリンタートレノ」の兄弟もありました。有名な漫画『頭文字D』の主人公の愛車「AE86」の正式名は「スプリンタートレノ」です。

 昭和から平成にかけてトヨタの4チャンネル戦略は成功を収めました。ところが、時代の流れとともに販売数が伸び悩むようになると話は変わります。同じトヨタ同士で競いあうのは無駄になりますし、数多くのクルマを開発する手間暇もバカになりません。

 そのため2010年ごろから、徐々に「キャラクター違い」の兄弟車が減っていきました。気が付けば「マークII」3兄弟は「マークX」に統合されたように、「カムリ/ビスタ」「カローラ/スプリンター」「ハイエース/レジアスエース」は、それぞれ1モデルに整理されます。

 そして2020年に決定的な変化が訪れます。それが全販売店での併売です。どこの店でも、すべてのトヨタ車種が買えるようになったのです。その結果、わずかに残った「キャラクター違い」の兄弟車の整理がさらに加速します。

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エスクァイア。ノア/ヴォクシーよりも上級志向だったが売上は伸びず廃版となった(画像:トヨタ)。

 それから現在までのわずかな間に、「サクシード」(「プロボックス」の兄弟車)、「タンク」(「ルーミー」の兄弟車)、「エスクァイア」(「ノア/ヴォクシー」の兄弟車)が廃版となりました。また、「ヴェルファイア」(「アルファード」の兄弟車)」も消滅寸前と噂されています。

【消えた兄弟車たち 画像で見る】

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