“空飛ぶホワイトハウス”もうすぐ交代 米大統領専用機「エアフォースワン」3年ぶり来日

電磁パルス攻撃にも対応

 ほかにもVC-25Aは飛行中にも地上と同じように情報を集め、アメリカ軍の指揮や連邦政府の運営が行えるよう空対空、空対地、衛星通信に対応した多周波無線機が搭載されています。また航続距離は7800マイル(約1万2550km)ですが、空中給油装置を装備しており、緊急時には他機から燃料を受け取ることで滞空時間を延ばすことができます。

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2019年5月、トランプ大統領(当時)が来日した際に羽田空港に飛来した「エアフォースワン」(柘植優介撮影)。

 機体は核攻撃が発生しても通信を維持し飛行を継続するため、電子機器には電磁パルス対策が取られていることに加え、ミサイル警報装置やチャフ、フレア、IRジャマーといった欺瞞装置などを搭載。また、専用のタラップなどが用意できない飛行場への着陸も想定し、収納式のエアステアや荷物ローダーも装備しています。

「エアフォースワン」の飛行では、随行機としてボーイング757をベースにした要人輸送機C-32Aや、非常時にアメリカ軍の指揮を行う国家空中作戦センターE-4B「ナイトウォッチ」といった珍しい機体の飛来も期待できます。

 コロナ禍では止まっていた外国要人の来日が増えるなか、今回の「クアッド」は飛行機ファンにとっても大きなイベントになりそうです。

【了】

【空飛ぶ執務室】VC-25の内部ほか 写真で見る

Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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コメント

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1件のコメント

  1. エアフォースワンは大統領が搭乗した時の
    コールサイン
    機体は
    28000と29000の2機あり
    大統領は28000に乗り
    29000は予備機