東名の大規模修繕が「車線規制なし」でできるワケ “秘密兵器”続々 まるで忍者?な工法も

東名高速の多摩川に架かる橋で、大規模なリニューアル工事が行われています。舗装を剥がして道路の床版を取り替える工事ですが、車線規制は一部をのぞき、車線規制は行いません。それを実現するのは、専用に開発された特殊重機です。

工事の段取り全体に工夫が

 規制範囲を交通流に影響なく、交通への支障を極力小さくするため、「DAYFREE」工法では他にも工夫が見られます。

 床版は現場でコンクリートを打設するのではなく、あらかじめ工場で製造されたパーツを並べていく形になります。床版と床版のすき間はモルタルで埋めますが、そのモルタルも独自開発の、金属繊維質を混ぜ込んで強度を高めたものを使用することで、すき間が小さく済み、硬化時間も短縮しています。

 さらに、道路中央部での工事の際は、昼間は車線規制なし・夜間1車線規制という体制で臨みます。夜間施工部は朝には自動車を通す必要があり、モルタルの硬化を待っていられません。そのため、まずは床版の接合部に専用のプレートを敷いて舗装し、昼間に車を通しながら床版のすき間のモルタル充填を「下から圧送して行う」という、アクロバティックな方法を採用しています。

「下から行う」のはモルタル充填だけでなく、古い床版を切断する作業もです。「サブマリンスライサー」という秘密兵器が橋げたの間に潜り込み、ワイヤー状のカッターで「床版が桁に乗っている部分」をピンポイントで切断するのです。従来のように上から桁を避けてカッターで床版を切り刻んでいく方法に比べ、時間短縮となります。

 きょう公開された現場では、切断され橋桁から切り離された古い床版が、「ハイウェイストライダー」のクレーンで撤去されていくところでした。「秘密兵器」が活躍するとはいえ、トン単位のコンクリート塊を、自動車がそばを通過する中で行う作業。現場には緊張感が張り詰め、作業員たちは互いに状況を連携しあいながら、慎重に搬出の段取りを進めていました。

 工事担当者は「約3年をかけて実施する大規模なプロジェクト。できるだけ利用者の方々や近隣住民の皆様へ影響のないよう、粛々と進めていきたいです」と話しました。

 東名多摩川橋のリニューアル工事は、実施車線を順次移動しながら、2024年完了めどで進められていきます。川崎市多摩区堰の高架下には工事の広報施設が設置され、一般向けの現場公開が、作業が行われる日を中心に週3日程度で開催されています。

【了】

【専用重機が活躍「多摩川橋」工事現場の様子】

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