創業58年 時が止まったようなバス会社のドライブインに起きた奇跡 “エモさ”で人気沸騰
開業から五十数年、長く低迷してきた香川のドライブイン「大川オアシス」が、いま突然の人気に沸いています。海を一望できる眺望だけでなく、夢の世界のようにキラキラした純喫茶メニューが、SNS映え重視の現代で“見つかった“のです。
バス会社のドライブインがSNSで“見つかる”
戦後日本が高度成長を遂げる中、モータリゼーションと呼ばれる自家用車の普及とともに、幹線道路沿いには広大な駐車場とゆったりした客席を備えた「ドライブイン」が昭和30~40年代に数多く建設されました。その後、コンビニエンスストアの増加や道の駅の整備、あるいは道路整備に伴う旧道化などの社会変化もあって激減、今ではその存在も貴重なものとなりつつあります。
その中で2022年現在、香川県さぬき市にあるドライブイン「大川オアシス」に多くの人々が訪れています。コロナ禍前と比較しても150~200%の売り上げがあるとか。
国道11号沿いの高台にあるこのドライブインは、座席から一望できる瀬戸内海の景色がウリ。それだけでなく、アメリカ・シカゴの「ダイナー」を参考にしたというレトロかつモダンな建物も魅力です。天窓から館内に太陽光が降り注ぎ、ステンドグラスに彩られた螺旋階段は夢の世界に続くかのような美しさです。併設のカフェで出されるクリームソーダやパフェ、クラブハウスサンドなどの純喫茶メニューは、どれを頼んでも抜群にSNS映えする美しさで、今風に言うと「エモい」以外の言葉が見当たりません。
この大川オアシスの存在は、「怪しからんくらい絶景だった!」という来訪者の“映えツイート”がきっかけで、2020年頃から知られるようになってきました。その映え写真に海外の日本好きの人々も注目。五十年以上変わらず営業していたドライブインが、SNS映えが重視される時代に突然“見つかった”と言えるでしょう。
しかし大川オアシスは、前述のツイートでも「廃墟のよう」と称されるほど、長らく厳しい時期が続いていました。ドライブインはクルマ社会の象徴でもありますが、この場所はバス会社によって設立され、長らく路線バスや長距離バスの拠点としても機能していたのです。
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